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06月15日-03号

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  1. 和歌山市議会 2012-06-15
    06月15日-03号


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    平成24年  6月 定例会                平成24年          和歌山市議会6月定例会会議録 第3号            平成24年6月15日(金曜日)     -----------------------------議事日程第3号平成24年6月15日(金)午前10時開議第1 会議録署名議員の指名第2 一般質問     -----------------------------会議に付した事件日程第1 会議録署名議員の指名日程第2 一般質問園内浩樹君、浦平美博君、渡辺忠広君)     -----------------------------出席議員(37名)  1番  姫田高宏君  2番  松坂美知子君  3番  永野裕久君  4番  西風章世君  5番  園内浩樹君  6番  中塚 隆君  7番  浦平美博君  8番  小川孝夫君  9番  上田康二君 10番  島 幸一君 11番  丹羽直子君 12番  吉本昌純君 13番  井上直樹君 14番  芝本和己君 15番  渡辺忠広君 16番  山本忠相君 17番  薮 浩昭君 18番  奥山昭博君 19番  中尾友紀君 20番  戸田正人君 21番  松井紀博君 22番  野嶋広子君 23番  中村協二君 24番  古川祐典君 25番  尾崎方哉君 27番  南畑幸代君 28番  森下佐知子君 29番  岩井弘次君 30番  松本哲郎君 31番  寒川 篤君 32番  北野 均君 33番  遠藤富士雄君 34番  山田好雄君 35番  宇治田清治君 36番  貴志啓一君 37番  佐伯誠章君 38番  和田秀教君欠席議員(1名) 26番  山本宏一君   ---------------説明のため出席した者の職氏名 市長         大橋建一君 副市長        松見 弘君 副市長        河瀬芳邦君 総務公室長      坂本安廣君 危機管理局長     池永俊二君 財政局長       山口研悟君 市民環境局長     上島 勲君 健康局長       永井尚子君 福祉局長       小松孝雄君 まちづくり局長    東 重宏君 建設局長       川端正展君 会計管理者      山田 丘君 教育委員会委員長   中村 裕君 教育長        大江嘉幸君 教育局長       原 一起君 消防局長       林 正義君 公営企業管理者    藤原庸記君 水道局長       内原久夫君 選挙管理委員会委員長 射場道雄君 代表監査委員     伊藤隆通君 人事委員会委員    栗生建次君   ---------------出席事務局職員 事務局長       岡崎広治 事務局副局長     尾崎順一 議事調査課長     幸前隆宏 議事調査課副課長   佐伯正季 議事班長       中西 太 調査班長       石本典生 事務主査       尾崎公彦 事務主査       村井敏晃 事務主査       小野田 靖 事務副主査      佐川恭士 事務主任       北野統紀 事務副主任      松林 出   ---------------          午前10時01分開議 ○議長(和田秀教君) ただいまから本日の会議を開きます。   --------------- △日程第1 会議録署名議員の指名 ○議長(和田秀教君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。 本日の会議録署名議員は、会議規則第80条の規定により、議長において  北野 均君  宇治田清治君  松本哲郎君 以上3人の諸君を指名します。   --------------- △日程第2 一般質問 ○議長(和田秀教君) 次に、日程第2、一般質問を行います。順次質問を許します。 園内浩樹君。--5番。 〔5番園内浩樹君登壇〕(拍手) ◆5番(園内浩樹君) おはようございます。公明党議員団の園内でございます。 昨年6月に初めてこの壇上に登壇させていただいてから、あっという間の1年が過ぎました。この間は、市役所の皆さんを初め、先輩同僚議員の皆さんに多くの御指導、御教示をいただき、大変お世話になりました。この場をおかりしまして、御礼を申し上げます。大変ありがとうございました。今後も和歌山市、そして和歌山市民の皆様のためにをモットーに、しっかりと頑張ってまいる所存でございますので、どうかよろしくお願い申し上げます。 それでは、早速ではありますが、議長のお許しをいただきましたので、通告に従いまして質問をさせていだだきます。 今回は、防災行政教育行政の2問であります。 まず、防災行政についてでありますが、大橋市長は本年2月より、平日の執務時間終了後、みずから市内各地区に出向き、防災マップの説明を行っていただいていると聞いております。各地区では、市長が来てくださるということで、大変盛況であると聞き及んでいます。 和歌山市の総責任者である市長が、率先して市民の皆様に対して直接説明を行い、現場の生の声を聞き、肌で感じるということは、政治家として非常に重要なことであり、私自身も見習うべきことであると思いました。 さらに、地元の地区の皆様に対しては、市長説明ということで非常に説得力もあり、市役所職員の皆さんに対しても、責任者みずからが汗をかき、範を示して行動する重要性を御教示されているものと思い、非常に感心をいたしました。 そこで、この説明会についてお伺いします。 既に何回か実施された説明会の現在の実施状況進捗状況、また、市民の皆様の御意見や御要望はどのようなものがあったのか、また、それを今後どのように市政や防災行政に生かしていくのか、そして、市長の御感想も含め、新しい具体的な防災施策等がありましたら御答弁をお願いいたします。 防災行政の2点目は、災害時の避難所におけるペット及び補助犬の取り扱いであります。 まず、補助犬とは、視覚障害の方の歩行を助ける盲導犬と、手足の不自由な方を手助けする介助犬、聴覚障害者の方に音を伝える聴導犬の総称であります。 日常における動物の取り扱いについては、御承知のとおり、和歌山県のほうで和歌山県動物の愛護及び管理に関する条例が制定されており、そこには動物の所有者や飼い主の責任、また、遵守事項が明確にされております。 しかし、災害時には特定動物以外は明確にされておらず、これら補助犬やペットを飼われている方は、避難所に連れていっていいのか悪いのか、連れていくための準備はどのようなことがあるのか、ここでは行政がはっきりとした取り扱いの指針を示し、市民の皆さんにお伝えすることが重要かと思いますので、御答弁をよろしくお願いいたします。 次に、防災行政の3点目は、小中学校の非構造部材に当たる天井や照明、壁などの耐震化の状況であります。 災害時における学校は、子供たちだけでなく、地域住民の命を守る重要な防災拠点であります。ここが未整備のため災害時に使用できないとなれば、地域住民の方がどれほど御苦労されるか、また、日ごろから心配されるかは想像にかたくないと思われます。喫緊に取り組まなければならない需要課題と言えるのです。 現在、本市の小中学校の校舎や体育館などの構造体の耐震化は、ほぼ100%近く終了しているとお聞きしています。全国を見ましても、文部科学省の調査によると、岩手、宮城、福島の被災県を除き、全国の公立小中学校は昨年の4月1日時点で80.3%、今年度末には約90%にまで達する見込みだそうであります。 その一方で、非構造部材の耐震化は余り進んでおらず、昨年5月1日現在で非構造部材の耐震化は、全国の公立小中学校の29.7%が実施、3割にも達しておらず、また、全体の34.7%に当たる約1万校以上が非構造部材耐震点検すら行われていない現状だそうであります。これでは、幾ら構造体の耐震化が進んでも、いざのときに使用できなければ無意味であり、構造体の耐震化予算を捨てるようなものであります。 そこで、このような点を踏まえ、本市においては、小中学校の非構造部材耐震点検及び耐震化はどのぐらい進んでいるのかをお伺いします。 続きまして、教育行政についてお伺いします。 本年度より新学習指導要領が中学校で全面実施されるのに伴い、武道とダンスが必修化されていますが、その経緯と目的及び現在の各学校の選択状況等はどのようになっているかお伺いします。 以上で第1問とさせていただきます。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) おはようございます。 5番園内議員一般質問にお答えいたします。 防災行政に関して、各地区への防災マップの説明状況についてということで、防災マップの説明会の実施状況進捗状況、市民の要望はどのようなものか、今後どう生かしていくのか、また、市長の感想等について述べよということであります。 防災マップにつきましては、2004年--平成16年でありますが、12月に--もう年末でしたけども--インドネシアスマトラ沖地震がありまして、インド洋大津波の映像に私も衝撃を受けまして、津波対策の必要性を痛感いたしましたところから、東南海・南海地震による津波から身を守るために、どんな備えをする必要があるか、市民の皆様に十分認識していただきたいと考えて、市内の浸水予測地域、想定される津波の高さ、付近の指定避難場所など必要な情報を記載したマップを作成し、翌年の3月に各戸配布をいたしました経緯がございます。 しかしながら、昨年の3月11日の東日本大震災による想定外の巨大津波を目の当たりにして、巨大津波から身を守るには、とにかく少しでも高い場所に避難していただくために、避難目標地点や、地域によっては避難ビルを指定して、そこへの避難を促す必要があること、それから津波の高さの想定を過信してはならないことを考えますと、自分たちの居住場所の標高が一目でわかるような地図にすることが重要であると、そのように認識いたしまして、そうした情報を入れた市内42地区についての地区ごとの防災マップを新たに作成し、昨年末に配布いたしました。 市民の皆さんには、ぜひこのマップを活用して、いざというときに備えていただきたい、そういう思いから、私みずからが説明する説明会をことしの2月初めから開始いたしまして、現在、42地区のうち22地区まで回り終えています。 沿岸部など津波による被害の心配が大きい地区から開催いたしましたので、それからもう一つは、3月末に国の南海トラフ巨大地震モデル検討会から第1次報告で、予想される震度や津波高が大きくなりましたので、その津波の浸水範囲がどれぐらい広がるのか、高い建物すべてを市で津波避難ビルに指定して緊急避難場所を確保してもらいたい、近くの高台に逃げるための避難路を整備してほしい等の質問をされる方が多くて、予定の時間をオーバーすることもあるなど、市民の皆様方の防災に対する関心の高さに触れて、改めて避難路の整備補助や避難ビルの選定など、とにかく逃げるための施策の必要性を痛感しているところであります。 特に、沿岸部の中で地域全体が非常に標高が低くて、高台へ逃げるといっても、3キロメートルとか4キロメートルとか先にしか高台がない地域があります。そういうことを、回ってみて改めて非常に痛感しておりまして、そういう対策を考えていかなければいけないというふうに思っています。 今後の防災対策につきましては、災害に強いまちづくり、人づくり、体制づくりの各方面において、市民の皆さん方の生命を守るために早急に取り組む必要のある木造住宅の耐震化補助、個人所有の土地に地元で避難路を設置する場合の整備補助、津波避難ビルの追加指定、防災知識の普及、津波浸水予測区域内の防災行政無線の増設など、さまざまな施策に取り組んでまいります。 さらに、他市との相互支援体制や民間との連携強化を図るなど、地域としての総合的な防災力の向上を目指していきたいと考えています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 永井健康局長。 〔健康局長永井尚子君登壇〕 ◎健康局長(永井尚子君) 5番園内議員の御質問にお答えいたします。 防災行政について、災害時の避難所におけるペットの取り扱いについて、その取り扱いの指針や連れていくための準備等についての御質問です。 現在、和歌山市内には約1万6,500頭の犬が登録されており、猫につきましてもほぼ同数程度飼育されているものと推定されます。近年、ペットを生活のパートナーとして飼われる方が多くなり、大規模な地震等の災害が発生した場合には、これらのペットの取り扱いをどのようにするかが課題であると考えます。 災害発生直後におきましては、身体障害者補助犬はもちろんのこと、ペットと飼い主が一緒に避難してくることが考えられますので、避難先等でのトラブルを避けることができるように、日ごろからペットに対するしつけやペット用の避難用具等の準備が必要となります。本市では、保健所で実施している譲渡講習会やしつけ方教室、健康応援フェア等において、本市が作成したパンフレット「ペットの災害時対策」や、環境省が作成している「ペット動物の災害対策」等により、飼い主による日ごろのしつけ、犬の登録と予防接種の徹底、キャリーバッグやケージ、非常用ペットフードの準備などの啓発を行っています。 今後、さらにこれらのことを積極的に啓発していくために、狂犬病の集合注射会場等でのパンフレット配布や、市のホームページへの掲載等を行うとともに、和歌山市臨床獣医師会とも連携を図ってまいります。 また、避難所等におけるペットの飼育場所の確保や飼育方法のルールづくりにつきまして、他都市の状況等を踏まえ、関係部局と協議し、取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 大江教育長。 〔教育長大江嘉幸君登壇〕 ◎教育長(大江嘉幸君) 5番園内議員一般質問にお答えいたします。 教育行政について、中学校における武道必修化実施状況について、武道、ダンスが必修化された経緯と目的及び現在の各学校の選択状況等はどのようになっているかとの御質問です。 平成18年に教育基本法が改正され、教育目標には、伝統と文化を尊重し、それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛する態度を養うと表記されました。 平成20年3月に告示された新学習指導要領では、中学校保健体育科において男女とも武道、ダンスが必修となりました。平成22年から平成23年度が試行期間とされ、本年4月からの完全実施となっています。 本年度の本市の18中学校のうちダンスの実施状況の内訳は、創作ダンスの実施が6校、リズムダンスの実施が10校、フォークダンスリズムダンスの実施が1校、フォークダンスリズムダンス創作ダンスの実施が1校となっております。 また、本市における武道の実施状況の内訳は、柔道の実施が1校、剣道の実施が13校、相撲の実施が2校、剣道、少林寺拳法の実施が1校、剣道、相撲の実施が1校となっています。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 原教育局長。 〔教育局長原 一起君登壇〕 ◎教育局長(原一起君) 5番園内議員一般質問にお答えします。 防災行政について、小中学校の非構造部材の耐震化について、小中学校の非構造部材耐震点検及び耐震化の進捗状況はとの御質問です。 本市では、これまで建物の骨格をなす構造体の耐震化に集中的に取り組んできました。その耐震化も今年度をもってほぼ完了の見込みとなり、避難所機能の維持には不可欠な非構造部材においても、さきの東日本大震災の教訓をもって重要性を再認識しているところでございます。 まず、避難所となっている体育館の照明器具に特定して、取りつけ状態の点検を実施しました。その結果は、小学校53校中20校と中学校18校中6校は、構造材に直接固定され動かない形態になっておりますが、残りの小学校33校と中学校12校は、鎖でつり下げられたいわゆるつり下げ型となっております。なお、天井、壁については点検及び耐震化までには至っておりません。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 5番。 〔5番園内浩樹君登壇〕(拍手) ◆5番(園内浩樹君) ありがとうございました。 それぞれ御答弁をいただきましたので、再質問をさせていただきます。 まず、第1問の大橋市長の市内各地での防災マップの説明会では、市民の皆さんからの御意見や御要望に今後どのようにおこたえしていくかが重要であると考えるのと同時に、特に地震、津波においては、その第1は、市民の皆さん全員に逃げるということを御理解いただき、いざというときにそれを実践していくことが最重要であると考えます。このことは、市長の説明会でもおっしゃっていただいておりました。 防災、減災対策といっても、自助、共助、公助それぞれにソフト面とハード面があり、あらゆる立場であらゆる面から対策を凝らし、それらを幾重にも重ね合わせていくことが安心・安全の対策となり、市民の皆さんの生命、財産を守ることにつながるのだと思います。行政として、市民の皆さんお一人お一人が逃げる意識とその準備ができるような対策を今後とも推し進めていただくことを強く要望しておきます。 次に、防災2点目の災害時の避難所におけるペット等の取り扱いについてであります。 避難所内の取り扱いについては今後の検討課題ということでしたが、ペットと一緒に避難できることに関しては明確に御答弁いただいたと判断いたしました。また、その際の持ち物や日ごろからのしつけ、予防接種等パンフレットの配布や、和歌山市のホームページにもその内容を掲載していただけるとのことでした。飼い主の方は、これで安心してペットと一緒に避難ができると思います。一緒に逃げられるということで、どれほど飼い主のストレスが緩和されるかわかりません。 先日、私の知り合いで、宮城県でボランティア団体を立ち上げ、ボランティアコーディネーターをなさっている方が、船の援助の打ち合わせを行うため来県されました。この方は各地で講演も行っており、現在、被災地がどのようになっているか、今、何が被災地に必要かなどの内容で各地を回られております。 そのときお聞きした被災地のペットの状況は、助かった犬や猫は避難所や仮設住宅に入れず、離れた場所でひっそりと飼ったり、ボランティアの方にお願いしたり、車の中で一緒に暮らす方もいらっしゃるとお聞きしました。 また、ある本によると、特に福島は悲惨で、福島第一原子力発電所から20キロメートル圏内のいわゆる警戒区域に住まわれていた約2万7,000世帯、7万8,000人の方は、当時詳しい事故の状況もわからないまま、数日で帰れると告げられ、とるものもとりあえず避難したそうであります。ペットは置いていくようにと指示され、やむなく愛犬や猫、そして家畜たちを残して避難。しかし、数日で帰れるという言葉に、当時は若干の安心感を感じたそうでありますが、それも無残に打ち消され、その後、全く帰宅が許されず、やっと一時帰宅が許されたのが2カ月後の5月10日、やっとの思いで帰宅をしてみると、半ば想像はしていたものの、そこには変わり果てた姿で亡くなっている自分の愛犬や猫、家畜の遺骸が横たわっていたとあります。 それを発見したときの気持ちは、ペットを飼っている方、また、飼ったことのある方なら想像にかたくないでしょう。家族同様であります。また、その帰れなかった2カ月間、飼い主の方がどのような思いでいたか、また、飼い主を待つペットたちは、空腹をしのぎ、どれだけ寂しい思いをして死んでいったかを考えると、胸の詰まる思いでいっぱいであります。また、何とか生き長らえた牛や豚の家畜においては、5月12日に所有者同意のもとで全頭殺処分するよう国から指示があったそうであります。 このように、災害は人も動物も容赦なく一瞬で悲惨の奈落の底に突き落とします。現在、和歌山市周辺には原子力発電所はありません。しかし、災害とはどのようなことになるかわからない、まさしく想定外のことが起こり得る可能性があります。飼い主は、このときのために、日ごろよりでき得る限りの準備をし、動物たちを避難させる責任があります。このことを啓発活動や広報活動を通じて、今後もしっかりと市民の皆様に伝わる努力をされることを要望いたします。 次に、小中学校の非構造部材に当たる天井や照明、壁などの耐震化についてであります。 現在、体育館の照明器具に特定して調査を終えた段階であるとの御答弁でした。このことについては、昨年7月、文部科学省が設置した有識者会議において取りまとめられた「東日本大震災の被害を踏まえた学校施設の整備について」の緊急提言において、非構造部材耐震対策を速やかに実施する必要があるとの指摘がなされております。 また、震災前の平成22年3月には「地震による落下物や転倒物から子どもたちを守るために」ということで、学校施設の非構造部材耐震化ガイドブックも既に出されております。 昨年の東日本大震災では、多くの学校で天井や照明、壁などが落下し、避難所として使用できないケースがありました。これでは防災拠点の意味をなさないばかりか、地震発生日時によっては子供たちの大惨事をも招きかねません。 財政状態の厳しい折、あれもこれもとはいきませんが、しかし、これはまさに人の命にかかわる重要なことであります。文部科学省から示された非構造部材耐震対策に係る財政支援制度等を利用するなど、緊急対策で早急に実施完了する必要があります。 先月18日、我が公明党は、財政難の続く自治体を後押しすべく、平野文部科学大臣に、今年度中に非構造部材耐震点検をすべて完了させ、市区町村別の耐震化率を公表すること、また、点検にかかる費用を国で支援する仕組みをつくることなどを要請しました。これを受けて、文部科学省は先月末に、非構造部材耐震対策を推進する調査研究事業をスタートさせました。本市としても、これらのことを踏まえながら、今後どのように非構造部材の耐震化を進めていくかを御答弁ください。 最後に、武道とダンスの必修化についてであります。 御答弁によりますと、学校ごとに、ダンスについては創作ダンスフォークダンスリズムダンスから選択され、武道は剣道、柔道、相撲、少林寺拳法などから選択されたとのことでありました。今、特に懸念されているのが、この武道の授業における安全対策であります。特に柔道にあっては事故が多く、2004年には横浜市立中学校において、部活中に顧問の教諭から投げわざをかけられ、脳に障害を負う事故が発生しており、昨年6月には名古屋市立高校で、これも部活中に大外刈りをかけられ後頭部を打ち、翌月、急性硬膜下血腫で死亡する事故が起こっております。 名古屋大学大学院内田准教授日本スポーツ振興センターの資料などを調べたところ、1983年から2010年までの間に柔道で死亡した中高生は114人、多くが部活中の事故で、年間平均4人が亡くなっているとのことであります。 また、全国柔道事故被害者の会も結成されており、今、全国で指導者側の責任を求める司法判断が相次いで下されているそうであります。この被害者の会、小林会長は、先生ですら安全に指導できるか不安だという声が多い必修化に大きな危惧を持たざるを得ないと話しております。 これら柔道特有のけがが頭部外傷であり、そして脳震とうは気を失うだけでなく、頭痛や吐き気といった自覚症状のほか、意識の変化や集中力の低下などの症状もあり、2度目の脳震とうで重症化するセカンドインパクトシンドロームも知られております。これは、頭蓋骨と脳を橋渡しする静脈が切れる加速損傷、いわゆる脳内出血が起こるおそれがあるとのことです。 文部科学省有識者会議の委員を務める神奈川県立足柄上病院脳神経外科野地雅人部長は、脳損傷を予防するのに一番大事なのは、指導者が脳震とうにどういう注意を払えるかだと言われています。 このようなことから、もう既に独自で安全対策を実施している自治体も出てきております。岡山県などは、県立中学2校に90個ずつ頭部を守るヘッドギアを配備。また、県内の4割に当たる約70校が柔道を選ぶ三重県では、各校に派遣可能な指導者を登録する人材データバンクを作成し、安全対策を講じています。 本市においては、柔道選択は1校のみと非常に少ないですが、これらの危険性や指導者の関係だと思われます。武道必修化が反対という立場では決してありませんが、しかし、たとえ1校でも安全対策をしっかりと講じるのは当然として、次のことをお伺いします。 本市の過去5年における柔道の部活動中の事故件数とその内容はどのようになっていますか。その安全対策は、どのようになされていますか。施設や防具の整備も含めお答えください。また、指導に当たる教員の方が、柔道の未経験者になることはありませんか。 以上お伺いして、私の一般質問を終わります。御清聴ありがとうございました。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大江教育長。 〔教育長大江嘉幸君登壇〕 ◎教育長(大江嘉幸君) 5番園内議員の再質問にお答えいたします。 教育行政について、中学校における武道必修化実施状況について、まず、本市の過去5年における柔道の事故件数と内容、施設や防具の整備を含めた柔道の安全対策について、また、柔道の指導に当たる教員が柔道の未経験者になることはありませんかとの御質問でございます。 本市の中学校における柔道の部活動及び授業でのけがの件数は、平成19年度から平成23年度で98件となり、平均しますと年約19件となりますが、重篤な事故の報告は受けておりません。 現在までの安全対策などの取り組み状況としましては、平成23年度に和歌山県教育委員会の主催で開催された指導者講習会、安全管理講習会への参加で、指導者の育成及び安全管理に対する意識向上を図るといった準備を進めるとともに、文部科学省が作成した「柔道の授業の安全な実施に向けて」といった指針も配付しております。 柔道実施校におきましては、重大な事故につながるおそれのある脳震とうを予防するためにも、徹底した受け身の練習を指導するとともに、立ちわざの練習時に、わざをかける旨を相手に伝えた上でわざをかけるなど、安全に十分配慮した指導を行っています。 なお、環境整備については、平成21年度予算で柔道用の畳、畳運搬台車を購入し、配置しております。議員御指摘のヘッドギアにつきましては、今後検討してまいります。 最後に、指導する教員が柔道経験者かどうかとの御質問ですが、平成24年3月に文部科学省から各都道府県教育委員会教育長への通知において、指導体制とは、一定の指導歴または研修歴のある教員が指導に当たることと定義されています。現在の柔道実施校におきましても、これらの要件を満たして実施しているものです。今後も武道必修化のための確固たる組織体制が継続できるよう努めてまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 原教育局長。 〔教育局長原 一起君登壇〕
    教育局長(原一起君) 5番園内議員の再質問にお答えします。 防災行政について、小中学校の非構造部材の耐震化について、今後はどのように進めていくのかとの御質問です。 天井、照明、壁など非構造部材は、落下などにより大事故につながる場合も考えられます。議員御指摘のように、現在、国では非構造部材の耐震化対策について調査研究が始められていますが、今後、国からより具体的に示されるであろう財政支援内容等を勘案し、計画的に取り組めるよう早急に点検を進めてまいります。 また、有識者などで組織する関係機関とも連携を図り、改善の方法や適否の判断基準など具体的な対策、学校施設の老朽化や将来見通しを踏まえた全体計画を策定した上で、今後、耐震化については段階的に取り組んでまいります。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 次に、浦平美博君。 〔7番浦平美博君登壇〕(拍手) ◆7番(浦平美博君) 皆様、おはようございます。絆クラブの浦平美博でございます。 ただいま議長からお許しをいただきましたので、通告に従いまして一般質問をさせていただきます。 まず、その前に、平成24年6月6日午後3時35分、今上天皇のいとこに当たられます寛仁親王殿下が御薨去されました。皇位継承順位は第6位であらせられ、スポーツ、障害者福祉など心血を注がれる一方、気さくなお人柄で、ひげの殿下と親愛を持って受け入れられ、私もまたその一人でありました。日本の行く末と皇族の将来を本当に憂いておられた方であったと、私もそのように存じておりました。この場をおかりして、謹んで心から哀悼の意をささげます。 それでは、質問したいと思います。 子は親から生き方の基礎を学びます。また、家庭教育では教えることのできない集団生活を、家庭で学んだ基礎を実践し、学校で学びます。同時に、人は生き方から学んだ人々の考え方やその言葉の意味を知り、自分に取り入れる努力をして活力をもらうのです。 また、時として音楽や歌謡曲の持つ強いメッセージから、人生を歩む姿勢、生き方を考えさせられることもしばしばあります。例えば、さだまさしの「償い」という歌があります。歌詞は、一人のある青年とその友人のやりとりです。その青年は、月に1度支給される給料袋を開けず郵便局に向かうその姿を会社の同僚たちに知られ、貯金を趣味とするしみったれたやつだと軽蔑されます。それでも、彼はにこにことほほ笑むだけでありました。 しかし、この行動には意味がありました。実はこの職場に来るまでに、その青年は償うことのできない過ちを犯していたのです。自動車を運転中、事故によって人の命を奪ってしまったという過ちです。そのことを悔い、もがき苦しむ中で、償い切れない過ちを補うために、遺族の方々に毎月送金をしていたのです。 それから、7年の月日がたったとき、彼が泣きながら手紙を抱いて友人に会いに来ました。差出人は、命を奪ってしまった方の遺族からでした。内容は、もうわかりました、あなたの優しい気持ちがわかりました、どうか御自身の人生を取り戻してくださいというものでした。でも、彼は手紙の内容よりも、わざわざ手紙を送ってくれたということに涙を流していたのです。彼の涙ぐむ姿を見た友人は、神様ありがとう、彼は許されたと思っていいのですかと天を仰ぎます。人間って悲しい、だって本来、人は優しいのだ、なのに過ちを犯してしまう、でも最後にはありがとうと言える機会が訪れる場合もあるんだというものであります。 そして、これは私が学校の教諭として、昔、生活指導部と担任をしていたときのことですが、停学になる生徒への申し渡しに立ち会う機会がかなり多かったのですが、そのとき仕えていた校長が「あやまち」という詩をプリントして、停学になる生徒とその保護者に渡し、朗読していたことを覚えています。 それは、皆さんも御存じかもしれませんが、「君にあなたに」という詩の一部であります。「あやまちは誰でもする つよい人も弱い人も えらい人もおろかな人も あやまちは人間をきめない あやまちのあとが人間を決める あやまちの重さを自分の肩に背負うか あやまちからのがれて次のあやまちをおかすか あやまちは人生をきめない あやまちのあとが人生をきめる」。これは御自身の生涯を初等教育、つまり小学校教育に注がれた東井義雄先生の詩であり、私も41年という短い人生の中で物すごく学ばせていただいたことでもあります。 そして、私は今、市民の皆様に市議会に上げていただいて1年が過ぎました。その間に先輩議員からは何度となく、浦平、がまんと辛抱と寛容よと教えていただき、学び取ろうとしております。ちょっと私にはなかなか難しいんですが。これもまさに人の生き方であり、いずれ身につけたいと願っているわけであります。 つまり、これこそが日本人がいにしえより、家庭や社会の中で培うことができていた道徳心なのです。人と心を通わせ、人間社会で生きる最大のよりどころとなっているのです。 もちろん、大人は、得てきた人生の経験から道徳を身につけなければなりませんし、その気があれば学ぶこともできます。しかし、子供たちはそうはいきません。子供には、まず道徳を身につけるすべを与えなければなりません。だからこそ、私は教育の重要性、歴史教科書の重要性を訴えているのです。情操をはぐくめるような教育を子供に与えるべきだと主張しているのです。 最近、市民の皆様からよく聞かれるのが生活保護のあり方です。これは、だれが考えても保護すべきであるという人以外は働かなあかんのと違うん、そんな手厚い制度では働くことがあほくさいと思ってしまって、働く意欲がわかなくなるんと違うんという意見が市井で騒がれ、私にも多くの意見が寄せられています。 これについては、厚生委員会で議論がなされると思いますが、苦しくとも懸命に働き頑張る方、また、働きたくても働けない方、探せば働けるのに世情の問題として働かない方、いろんな方がいると思うわけですが、これは生き方、考え方の問題であると私は思っています。まさに教育です。古来からの教育システムが、戦後の欧米等諸外国に押しつけられた歴史観に基づく教育環境がそうさせたのではないかと考えるのです。よって、生活保護制度自体が悪いのではなく、その制度に対してどう向き合うかということなのだと思っているわけであります。 2,672年の歴史から見て学ぶ道徳的思考があれば、本来、日本人的観念を持っていれば細かなルールは要らないのです。そこに持ちつ持たれつという言葉があるように、自分だったらどうなのか、相手はどう思うのかと考え、自助、自省することを先人たちは行ってきたわけであります。 人と人が社会を形成し、社会生活を営むのは世界各国の人々も同じで、社会生活に求められる規範、道徳も同じものがあり、ゆえに世界でも称賛された日本人の姿があったのだと思います。 しかしながら、東北の災害瓦れきについてですが、被災地では瓦れき処理の問題が解消されない中で、和歌山市議会は全会一致で受け入れを決議いたしました。あの災害は我が国最大の国難で、いまだ解決できていません。当時あれだけの義援金が寄せられました。頑張れ、きずなという言葉がはんらんしていましたが、今、放射性物質と電力の話ばかりで、現状を忘れているようにしか思えません。 市長、37万人のリーダー、和歌山県都、中核市和歌山、大橋市長もごらんになったと思いますが、私たちも現地に入り、言葉にできない現実を目の当たりにしました。ありとあらゆる場所に赤いスプレーで丸やバツが記され、そこには御遺体があったという目印でした。異臭を放つ瓦れきの山に向かって黙々と作業を進める地元民、ボランティア、亡くなっている小さな子供を抱える自衛隊員、消防隊員、警察官、彼らは公務で行っている公務員です。しかし、彼らにも家族、親、兄弟があるはずです。その彼ら彼女たちは、その国難に向き合ったとき、おのれを捨てて向き合い、その姿に国民は感謝したはずです。 紀南で起きた台風12号のつめ跡も同じです。だれもいないその集落に立ち入らないよう警察官が黙々と立ち、その奥ではさらに自衛隊員が道路でたった一人黙々と立ち尽くし、通行する人たちに敬礼をし、安全を見守っていました。川の中では、隊員が音のない世界で黙々と作業する姿に私は自然と涙が出ていました。これは、うれしいとか悲しいとかそういう感情ではなく、紛れもなく感謝なのです。 その半面、政府の判断や行動は鈍く、瓦れきの処理は一向に進まず、それでもあきらめずその現状で戦う、放射性物質という見えない敵と戦う姿があるのです。でも、今ではそのような現状は余りテレビなどで映像が流れておりません。 だからこそ、和歌山市議会は、安全を担保することを第一義とし、しっかりと調査をし、私たちも見えない敵と戦うという意思をあらわしたのだと思っています。 しかし、現実はどうでしょうか。できないのではなく、どうすればできるのか、そこに私たちの勇気と知恵を出し、汗をかき、未来につなげなければならないのではないでしょうか。現政府はわけがわからず、国難の大切なとき、国のかじ取りをする会議でも議事録すら存在しない、そのような行政機関を国民は信用するのでしょうか。申しわけなかった、誤りでしたと謝罪もできないのです。子供たちには、誤ったことをしたら、ごめんなさいと言いなさいと教えるでしょう。健全な社会を維持していくために、人として備えていなければならい潔さを、道徳を、国の組織そのものが否定するかのような言動、振る舞いを国民に見せてしまったら、我々の社会規範にどれだけの影響を及ぼすのか。私たちの子供は大人の姿を見ているのです。 もし、和歌山大震災と大津波による壊滅的被害があったら、そこに対処する和歌山市行政は、国と同じように議事録も残せない組織なのでしょうか。そんなことはあるはずがないと信じておりますし、絶対にあってはならないのです。あってはならないですね、市長。そうですね、教育長。 これを考えるとき、私は1つの歌のフレーズが思い出されます。「賽銭箱に百円玉投げたらつり銭出てくる人生がいいと両手を合わせ願えば願うほどバチにけっつまずきひざをすりむいた」というものです。長渕剛さんが歌う曲の一節であります。何となく今の私たちを映していませんか。 この歌詞とともに思い出される言葉があります。私がどうしても滅びてほしくない1つの民族がある。それは日本人だ。あれほど古い文明をそのまま今に伝えている民族はほかにない。日本の近代における発展、それは大変目覚ましいが不思議ではない。日本は太古から文明を積み重ねてきたからこそ、明治に入り、欧米の文化を急速に輸入しても発展できたのだ。どの民族も、これだけ急な発展をするだけの資格はない。しかし、日本にはその資格があるのだ。古くから文明を積み上げてきたからこそ資格がある。彼らは貧しい。しかし高貴であると述べたのは、御存じのとおり駐日フランス大使であったポール・クローデル氏であります。1923年9月1日、ポール氏は関東大震災も経験しています。そのときの日本人の言動に感銘を受けたと言っているのです。 かつて、このようにすばらしい国だと言われたのに、現在の我が国はどことなく卑屈な感じがいたします。なぜこのような姿になったのか、すなわちおのれの姿を知ろうとしない道徳心のない国の行動が原因でないかと考えてしまうのです。事実、現実に不都合のある事象が発生するたびに、有識者やコメンテーターが責任の伴わない発言を繰り返し、諸外国の上辺の事象を追うだけで、国民はそれらに誘導され、大切にしなければならない日本の伝統や文化や歴史から学ぶ根っこの部分をないがしろにし、新しい法律やルールをどんどんつくっていきます。 その結果、我々がもともと備えていた常識的な判断力や物事に対処する力を奪うことになり、もはや私たち日本の社会から、情、つまり道徳を失わせてしまっているのではないかと。日本人としての誇りが失われてきている証拠ではないかと、ふと考えてしまうのです。だからこそ、さきに述べた生活保護問題や、年金をもらうために親が死んでもそのままにして届けを出さない子供など、従来では考えられなかったことが当たり前のように発生しているのです。 手前勝手な理屈を並べて、自分に都合がよいことばかりを追いかける私たち大人は、子供から見てどのような姿に映っているのだろうか。本当に恥ずかしく生きていないだろうか。本音と建前を使い分け、落としどころを設け、グレーゾーンをつくっていないだろうか。これが人の道です。人生を全うするのは難しいことでありますが、だからこそ人生には価値があるような気がしてなりません。今は、私たち大人がこれからの世代、次代を担う者たちに試されているように思えてなりません。 さて、昨年9月の質問以来、戦争を賛美する、戦争を美化するような教科書を選ばせようとしている浦平議員などとやゆされながらも、集会など機会を見つけては、日本の悲しくも美しく、また、感動的な物語を紹介し、歴史教育の重要性を訴え、日本のすばらしい系統主義教育と自然とともに歩んだ日本教育の歴史、世界から認められたすばらしい日本の教育を紹介しております。欧米の精神を理解できずに、誤った認識のまま取り入れた自由主義教育が、我が国の教育、和歌山市の教育にどのような影響を及ぼし、混乱させているのかを。 子供に、社会にこうした影響が出てきていないのか危惧するがゆえに質問し、NIE--新聞を読ませるというニュースペーパー・イン・エデュケーション--の問題や自由・権利の問題、ゆとり等の問題、学校視察の現状を紹介し、日本人としてのアイデンティティー確立のためには歴史から学ぶことが重要であるとして、そのことを踏まえ、子供たちの教科書がどのように選ばれているのか、本市教育委員会には、歴史教科書の教科用図書採択について、どのような思いを乗せ、和歌山市の子供たちに与えようとしているのか詳細に質問させていただき、人をつくる徳目の話をさせていただいたつもりでありました。 また、昨年9月議会の先輩議員の質問では、北朝鮮拉致被害について、DVD「めぐみ」を3万8,000枚、全国の学校に配布し、内閣官房拉致問題対策本部事務局政策調整室長から、ぜひ人権教育で役立てていただきたい旨の依頼があったことを紹介した上で、本市小学校、中学校、高校の現状はどうなのかと質問をされました。 当局の答弁では、小学校のみ3校、90名だけが取り組んでいたことを明らかにして、「拉致問題が国の人権教育・啓発に関する基本計画に新たに明記されたことを踏まえ、教育委員会としては学校教育において児童生徒の発達段階に応じて、拉致問題に対する理解を深めるための取り組みを積極的に推進し--人権教育が進むよう、指導計画や指導方法に適切な指導、助言を行ってまいります。」と答弁しています。 そこで、お尋ねいたします。 そもそもDVD「めぐみ」とは一体どのようなことなのか、教育長の御認識、お心をお聞かせください。 次に、12月議会では、諸先輩方のお力と先輩議員の質問により、教科書の採択における調査員、選定委員の氏名が開示されました。間違いなく和歌山初のことでありました。開かれた採択に向けての一歩であったと認識いたしております。 さて、そのころ八重山地区採択協議会の問題、俗にいう八重山教科書問題が報道されました。どうして教科書問題のことが報道されたのか、何が原因で問題となっているのか、疑問に思われた市民の方が12月議会での開示を聞き、情報公開条例に基づいて、本市教育委員会に情報開示請求をいたしました。これを受け、和歌山市教育委員会は、公文書開示決定通知書及び和歌山市教科用図書採択における公文書--ここに括弧書きがありますが--教育委員会採択議事録を開示したのであります。 私はその公文書について、これはどうなんですかと素朴に相談を受けました。私は、この文書に目を通して愕然とし、言葉を詰まらせたわけであります。 申請書類の様式に従いまして、開示申出書が1つ、並びに請求書を提出し、これに対して公文書開示決定通知書が開示請求書に基づいて開示されています。開示請求するに当たり、請求する公文書の件名または内容を書く欄がございます。 和歌山市教科用図書採択における公文書。 1.調査員・選定委員の氏名、年齢、所属学校等の名簿。 2.調査員調査書、これは調査員が教科書を調査した文書のことをいいます。 3.選定委員会議事録。 4.教育委員会採択議事録及び採択理由書。 5.調査員及び選定委員の委嘱基準書または委嘱理由。 6.委嘱状の写し。 最後に米印です。すべての教科についてと記されていました。 申し出、請求の目的を書く欄には、昨今、教科用図書採択においてさまざまな問題がメディア等で報道され、和歌山市において教科書採択に対して情報開示する旨が報道されたため、和歌山市教科用図書採択の手順及び理由を知りたいと記されていたのであります。 それを受け、当局は公文書開示決定通知書を2通通知しておりました。その公文書の件名は「和歌山市教科用図書採択における公文書」、先ほども申しました教育委員会採択議事録というもので、所管は教育総務課となっており、決定の区分は開示です。開示しますということです。3ページにわたり会議録を開示しています。 つまり、和歌山市教科用図書採択における公文書は、先ほど申し上げた1から6、この項目に沿って文書を開示しているわけです。 そして、もう一つの文書がございます。それは、教育研究所が所管の公文書開示決定通知書です。これには、調査員・選定委員の名簿、調査研究調査書--調査研究のまとめ、採択理由書、3回開かれた平成23年度中学校教科用図書選定委員会議事概要、義務教育諸学校の教科用図書の無償措置に関する法律施行令--抜粋部分ですけども--そして委嘱状様式が添付されております。 その中に、平成23年度中学校教科用図書選定委員会議事概要、これも3ページ分ですが、2ページ目の下から2つ目の丸には、「次回の選定委員会で教科書を選定することを確認した。」とあります。3ページ目、下から2つ目の丸には「教育委員会に報告する教科書を選定した。」とあります。 そして、1つ目の公文書である和歌山市教科用図書採択における公文書--何度も言います教育委員会採択議事録ですが、項目9です。非公開事案とされた議案第5号、平成24年度使用中学校教科書の採択についてでは、「この議案について寺下教育研究所長から、資料に基づき中学校教科用図書選定委員会における調査研究の結果、決議内容及び採択理由の報告があった。この議案について、慎重審議の結果、採択教科書を承認した。」と記されていたのです。これが愕然とした1つ目であります。 昨年9月議会の私の再質問5です。「教育委員会にかける原案として下部の--下部ですよ--組織が採択すべき教科書を1社もしくは数社に限定して答申される、俗に呼ばれる絞り込みが行われていないか。また、行われているのであれば、その理由はどのようなものか。」と問いました。 当局の答弁では、「調査員による教科用図書選定に係る調査研究につきましては、平成2年の文部省通知、教科書採択の在り方の改善についてで示されているとおり、採択基準に基づいて公平かつ公正に調査研究を進め、調査員によるいわゆる絞り込みについては行っておりません。」と答弁したのです。選定委員会も下部であり、これを絞り込みと言わずに何と言うのか、完全な絞り込みなのであります。 ここで終えてしまうと不完全な質問となりますので、さらにつけ加えます。 昨年9月、再質問で私は、先ほどの5--再質問5ですね、5に続き、6で採択の流れを確認しています。当局答弁は、「教科書採択の流れは、選定委員会において調査員の調査研究と並行して各教科書の調査研究を進め、最終的に調査員の報告及び県教育委員会の資料等を参考にしながら調査研究報告書をまとめ、採択地区協議会に報告します。」とあります。ここで選定委員会の役割を述べています。 ここで、1つ説明をいたします。採択地区協議会というのは、和歌山市採択地区であり、和歌山市は37万という非常に大きな中核市ですから単独で採択を行うので、本市教育委員会のことを指しています。 続けます。「採択地区協議会においても、各委員が直接--各委員が直接です--各教科書を閲覧、研究し、選定委員会の調査研究報告等を参考にしながら、最終的な採択決定を行います。」と述べたのです。選定委員会議事概要では、「次回の選定委員会で教科書を選定することを確認した。」「教育委員会に報告する教科書を選定した。」そして、教育委員会会議録には、「寺下教育研究所長から、資料に基づき中学校教科用図書選定委員会における調査研究の結果、決議内容及び採択理由の報告があった。」、そして、「慎重審議の結果、採択教科書を承認した。」。 ここで、もう一つだけ確認しておきます。承認とは一定の事実を認めることをいい、意思表示ではなく、観念の通知という意味を持つわけであります。つまり、決定しているのではなく、わかったよと認めるということです。では、最終決定を行いますと言ったことについても間違いとなります。また、選定委員会から教育委員会に答申するというのが採択の流れですが、答申は決定したことをいうのではなく、意思を申し伝えるということでありまして、決議内容及び採択理由の報告というのは決定していることなのです。 前回、教科書を絞り込んでいませんか、絞り込みがあるのであればどのような理由ですかと質問し、9月答弁では、絞り込みは行っていないと断言しているのにもかかわらず、下部の組織から決議内容と採択理由の報告に対して承認しているだけなのに、教育委員会が最終的に決定すると言ったこと、議会答弁と公文書に書かれている記述が余りにも違うが、これに対してどのように説明するのか、お伺いいたします。 これを1問といたします。(拍手) ○議長(和田秀教君) 中村教育委員会委員長。 〔教育委員会委員長中村 裕君登壇〕 ◎教育委員会委員長(中村裕君) 7番浦平議員の教育行政について、9月答弁では、絞り込みは行っていないと断言しているにもかかわらず、教育委員会の議事録では、下部の組織からの決議内容と採択理由の報告に対して承認しているだけである、教育委員会が最終的に決定すると言ったことに対してどのように説明するのかという御質問でございます。 和歌山市の児童生徒が使用する教科書採択においては、市単独地区での採択になりますので、教育委員は採択地区協議会の委員を兼務しております。私を含め各教育委員はすべての教科書を閲覧し、よりよい教科書を選定するための調査研究を進めております。 昨年7月の教育委員会の席において、まず、採択地区協議会委員として選定委員会の調査研究の成果、決議内容及び採択理由等を参考にして慎重審議を行いました。続いて、教育委員会として教科書採択についての議案を承認し、平成24年度使用中学校教科書の最終的な採択決定を行ったところであります。 なお、私を含め教育委員は、教科書の採択は教科書の内容についての十分かつ綿密な調査研究が重要であると考え、今回の採択に取り組みました。今後も教育委員長として、採択地区協議会や選定委員会、調査員等の仕組みを活用し、和歌山市の児童生徒によりよい教科書を提供してまいりたいと考えております。 以上でございます。 ○議長(和田秀教君) 大江教育長。 〔教育長大江嘉幸君登壇〕 ◎教育長(大江嘉幸君) 7番浦平議員の一般質問にお答えいたします。 教育行政について、まず、9月答弁では、絞り込みは行っていないと断言しているにもかかわらず、教育委員会議事録では、下部の組織からの決議内容と採択理由の報告に対して承認しているだけである。教育委員会が最終的に決定すると言ったことに対してどのように説明するのかという御質問でございます。 平成2年度の文部省「教科書採択の在り方の改善について」は、採択教科書のいわゆる絞り込みについて言及しています。この通知に従い、調査員によるいわゆる絞り込みは行っておりません。また、選定委員会につきましても、すべての教科書について採択基準に基づいた公平かつ公正な調査研究を進め、調査研究の成果としてまとめており、採択すべき教科書を1社もしくは数社に限定して答申するいわゆる絞り込みは行っておりません。 選定委員会の調査研究の成果については、選定内容及び選定理由とともに、採択地区協議会に諮問し、その後、十分な慎重審議の後、最終的に教育委員会において議案を承認しています。 このような教科書採択の実際の経緯について、議員御指摘の昨年7月の教育委員会の議事録の内容の一部が、表記の不適切さから市民の方に大変な誤解を与えてしまう表現となっていたことは反省すべきことだと考えております。(「議事録が間違えたで済むか、そんなもん」と呼ぶ者あり)今後、より適切かつ的確な表現になるよう努めてまいる所存でございます。 続いて、DVD「めぐみ」とは一体どのようなことなのか、教育長の認識を問うということであります。 拉致問題は人間の尊厳、人権及び基本的自由に対する重大な侵害であると考えております。さらに、この問題は我が国の主権と国民の生命と安全にかかわる重大な問題であるともとらえています。しかしながら、いまだ拉致被害者の全員帰国を含め解決に至っていない憂慮すべき状況にあります。 DVD「めぐみ」は、学校教育の場において、児童生徒が拉致問題について深く認識し、拉致問題を人権問題として考える有効な学習資料であると考えております。今後も、各学校が児童生徒の発達段階に応じてDVD「めぐみ」を積極的に活用し、拉致問題に対する理解を深めるための取り組みを一層推進していく考えです。 以上でございます。(「謝罪するんやったらまだしも、議事録が間違えたで済ますというんか、そんなもん」と呼ぶ者あり) ○議長(和田秀教君) 7番。 〔7番浦平美博君登壇〕(拍手) ◆7番(浦平美博君) 反省から、改める発言があったことは一定の理解を示したいと思っております。 それでは、2問目に入らせていただきます。(発言する者あり)まあ1年生議員でございます--。 それでは、2問目に入らせていただきます。 この開示申出書及び開示請求書の申し出、請求する公文書の件名または内容について、先ほど申し上げた1から6の項目です。項目で5番目の調査員、選定委員の委嘱基準書または委嘱理由の開示を求めているわけであります。 しかし、公文書開示決定通知書の開示しないことと決定した部分で、一部不開示となっています。その理由は、和歌山市情報公開条例第11条第2項による「実施機関は、開示請求に係る公文書の全部を開示しないとき(前条の規定により開示請求を拒否するとき又は開示請求に係る公文書を保有していないときを含む。以下同じ。)は、開示しない旨の決定をし、開示請求者に対し、その旨を開示決定通知書により通知しなければならない。」という規定に基づき、請求対象公文書を作成または取得していないためと理由を述べているのです。つまり、公文書には委嘱の基準を示した文書がないという記述をしているわけであります。 9月質問の再質問7番目で、「調査員、選定委員はどのように選び、だれが辞令を交付するのか。」と質問し、それに対して当局は、「市内中学校に在籍する校長、教頭、教諭から選出し、教育長が委嘱します。また、選定委員会は教育長、教育委員会事務局、専門的知識を有する者及び保護者代表で構成し、教育長が各選定委員を委嘱します。次に、調査員については、各教科の専門性に加え、教科指導にすぐれた実績または経験のある教員を市立中学校から選出し、委嘱しております。」と答弁しております。 私への答弁では、上記のように理由を述べ、基準を示しているのに、教育委員会事務局トップとして行政行為をする中で、何の基準も設けていないのに公務を行うということは非常に危険な行為であり、時の権力者によって教育行政が揺らぐのは大変危険であると、ありとあらゆる理由を設け、政治介入を拒んできたのではないのですか。 結果、独立性や独自性などという一種の聖域をつくり、結局、何のチェックも入らないまま、教育長の独断で決めるということであり、これが一番恐ろしいことではないですか。 何度も言います。教育長がかわるたびにこの基準が変わってしまうことになるということが、非常に恐ろしい行政行為となってしまうのです。だからこそ、文部科学省は何度も何度も採択に関する注意や基準を示し、都道府県、市町村に対して「採択手続の改善について」というのを通知しているわけです。 ここに、文部科学省からの事項を紹介いたします。  (1)市町村教育委員会と採択地区との関係の明確化 それぞれの採択地区において、市町村教育委員会間で採択事務に関するルールを定め、予め公表するなど、採択手続を明確にしておく取組を進めるよう市町村教育委員会に対する指導に努めること。また、市町村教育委員会間で行う同一の教科書を採択するための協議が整わない場合には、適切な指導・助言を行い、採択の適切な実施に努めること。--これは都 道府県に申し上げてる文書です。  (2)採択地区の適正規模化  各市町村教育委員会の意向等を的確に踏まえ、採択地区がより適切なものとなるよう不断の見直しに努めること。  (3)静ひつな採択環境の確保 静ひつな採択環境を確保していくことが重要であり、それぞれの地域において広く関係者の理解を求めるよう努めるとともに、様々な働きかけにより円滑な採択事務に支障をきたすような事態が生じた場合や違法な働きかけがあった場合には、各採択権者が警察等の関係機関と連携を図りながら、毅然とした対応を取るよう指導・支援に努めること。  (4)開かれた採択の一層の推進 採択結果や理由等の採択に関する情報の積極的な公表に努めること。 とあるのです。よろしいですか。 それぞれの採択地区において、市町村教育委員会間で採択事務に関するルールを定め、あらかじめ公表するなど、採択手続を明確にしておく取り組みと言っているのです。 そこで、お尋ねいたします。現に、調査員及び選定委員の委嘱基準書または委嘱理由書が存在しない中で、何をもって教育長が選出し、委嘱をするという行政行為をしているのか。誠意を持ってお答えください。 次に、開示申出書、請求書に記載された選定委員会議事録及び教育委員会採択議事録を請求し、公文書の開示を決定し、今回、その公文書について私は質問をしているわけですが、先ほどの質問は一部不開示です。開示しないということで和歌山市情報公開条例第11条第2項による理由をちゃんと記載し、なぜ公開できないのかを述べていました。真っ当な内容であります。 しかし、選定委員会議事録及び教育委員会採択議事録に対して、どうして選定委員会議事録ではなく選定委員会議事概要を一般市民に開示しているのですか。不開示理由はどこに書かれているのですか。また、概要を開示するのであれば、どうして議事録を開示しないのか。疑問が疑問を呼びます。 また、教育委員会採択議事録は、採択議事録ではなく会議録であります。これも疑問が残ります。内容を見ますと、1から11までの項目に分けて、その中の議事という項目があります。議案第1号から第5号までありますが、採択について述べている議案は第5号--5番目ですね、第5号だけで、あとは全く関係のない議案であり、しかも第5号は「慎重審議の結果、採択教科書を承認した。」となっているんです。一体これのどこが採択議事録ですか。 だれがどのように考え、発言しているのかも全くわからない慎重審議とは、どのような議論がなされているのか。これが必要なのに、概要を開示して、どうして採択議事録といえるのですか。 静ひつな環境でということから考えて、秘密会にするのはいいでしょう。これは、地方教育行政の組織及び運営に関する法律第15条、教育委員会の議事運営には、「この法律に定めるもののほか、教育委員会の会議その他教育委員会の議事の運営に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。」となっているのです。 その和歌山市教育委員会会議規則には、第5条、会議の公開で定められ、「会議は、公開とする。」となっております。しかし、「前項の規定にかかわらず、事案が次の各号のいずれかに該当する場合であって、委員の発議により委員会が議決したときは、当該事案に係る会議を秘密会とする。」とうたわれております。その項目、(1)から(6)ありますけれども、このうち(1)から(5)は、この教科書採択に関係のない項目であり、「(6)前各号に掲げるもののほか、委員会が議決した事項」に該当することができるので秘密会にしたことはおかしいことではありません。文部科学省が言うように、静ひつな環境を確保していくことが重要であるということですから当然でしょう。 しかし、和歌山市教育委員会会議規則には、秘密会にした場合、議事録をとらなくてもいいとは規定しておりません。決定した教科書について半年以上がたち、その間、調査員、選定委員の氏名の開示もなされ、行政行為の妨げになるような問題にはなっていないはずです。それでも議事録が開示されないということは存在しないのか。余りにも不道徳、不誠実ではありませんか。 そもそも議事録とは、後世に残し、未来に向けた指標となる大切な文書であります。ですから、私たちの発言も一言一句残るわけです。その結果を私たちは、4年に一度、市民から選挙という審判を受けるわけです。和歌山市役所の各局は、それらの議事録を引っ張り出し、あのときはどうであったのか、では、現在に照らし合わせどうなのか、どうすればよいのか、その時代時代の背景と意見を参考にしながら、和歌山市の行政官の皆さんは考えに考え抜いて公務をされているわけです。 しかし、どうですか。議事録概要があるのであれば議事録があるわけでしょう。全く理屈に合わない、不誠実で無責任な選び方をした教科書を、既に--既にですよ--子供たちは学校で使用しております。子供たちの時間も和歌山市民の時間も取り戻せないし、取り返しがきかないのです。 9月答弁で教育長は、「教科書採択につきましては、生徒によりよい教科書を提供する観点から、採択権者の権限と責任のもと、教科書の内容についての十分かつ綿密な調査研究によって、公正かつ適正に行われるべきものであると考えております。」と言っていますが、どこが公正で適正なのですか。総合的にお答えください。 これで第2問目といたします。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大江教育長。 〔教育長大江嘉幸君登壇〕 ◎教育長(大江嘉幸君) 7番浦平議員の再質問にお答えいたします。 教育行政について2点ございました。 まず、最初のほうですが、現に調査員及び選定委員の委嘱基準、基準書または委嘱理由が存在しない中で、何をもって教育長が選出し、委嘱をするという行政行為をしているのかという御質問です。 調査員の選定については、教育委員会の指導主事等が和歌山市立の全小中学校への学校訪問を行い、校長との面談や全教員の授業を参観することを通して、個々の教員の教科の専門性や指導の実際について把握しており、私はその報告を受けております。 これらのことを参考にして、総合的に調査員候補者を選定し、学校長の意見や本人の意思等を確認の上、最終的に調査員を選出し、委嘱してきたところであります。 また、選定委員会の委員については、和歌山市中学校教科用図書選定委員会規約により、教育委員会事務局及び校長会、教頭会、女性管理職会、PTA、PTA女性会の代表をもって委嘱しているところであります。今後、さらに保護者や市民に開かれた教科書採択にしていくために、選定委員及び調査員の委嘱基準を作成いたします。 次に、選定委員会議事録及び教育委員会採択議事録に対して、どうして選定委員会議事録ではなく選定委員会議事概要を一般市民に開示しているのですか、概要を開示するのであれば、どうして議事録を開示しないのか、また、教育委員会採択議事録は、だれがどのように考え、発言しているのか全くわからない、どのような議論がなされているのかわからない概要で、どうして議事録と言えるのか、こういったことを総合的に答えよという御質問でございます。 選定委員会については、その大半が教科書の特徴についての調査研究の説明となったため、議事録が概要となっております。なお、説明内容については、選定委員会調査研究報告書にまとめているとおりでございます。 また、教科書採択にかかわる採択地区協議会の議事録については、教育委員会の議事録として通常記録しているものとなっております。そのため、採択地区協議会の議事録については作成していないため開示をしておりません。このことにつきまして、保護者や市民に対して開かれた教科書採択にしていくことが重要であるという考えのもと、周知、公表などの方策をより一層改善していくとともに、議員御指摘のように、選定委員会及び採択地区協議会の議事録についても、今後改めてまいります。 以上でございます。(「市長、行政手続おかしいでしょう、どう考えても」と呼びその他発言する者あり) ○議長(和田秀教君) 7番。 〔7番浦平美博君登壇〕(拍手) ◆7番(浦平美博君) それでは、第3問目に入らせていただきます。 教育長は第1問の答弁で、拉致問題は人間の尊厳、人権及び基本的自由に対する重大な侵害であると考え、この問題は我が国の主権と国民の生命と安全にかかわる重大な問題でもあり、いまだ拉致被害者の全員の帰国を含め、解決していない憂慮すべき状況である。だからこそ、拉致問題を人権問題として、学校教育の現場において深く理解させる取り組みを一層行っていくと発言されました。これにつきましては、まことにすばらしく力強い内容であったと感じております。 DVD「めぐみ」活用の人権教育については、前回の先輩議員の質問で、加太、湊、本町小学校で合計90名の子供たちだけが授業をしていたということで、大変驚いたわけでありますが、今回調査をした結果、加太小学校、新たに紀伊小学校、山東小学校、四箇郷北小学校の計224名となっております。134名の子供たちが新たに、我が国にとって、私たちの和歌山にとっても非常に大切な問題に取り組み、学んだわけであります。ということは、教育委員会がそれなりの指導をしていたという事実がわかったわけであります。 その上で、再度認識していただきたいと思います。 和歌山市の小中高生合わせて2万7,945名、1,080クラスの生徒数とクラス数があるわけです。小学校1年生から3年生まで理解を深める授業の展開ができない--その理解をさせるDVDですね、拉致というものの本質を理解させるというのは難しいんではないかということで、1年生から3年生、これは3,055名、107クラスあります。これを引いても、2万4,890名、973クラスの生徒が拉致問題、人権教育をしていないことになるのです。 当然、これだけが人権教育のツールではありませんが、人権だ権利だと声高に言われてる中で、本市教育委員会は懸命に指導しているにもかかわらず授業展開しない学校が圧倒的に多い、圧倒的です。特に中学校は指導しているにもかかわらず、ゼロ名のゼロ校です。これは、実践していない学校に問題があるのか、現場の教諭に問題があるのか、教育長に問題があるのか、教育委員会の指導力に問題があるのか。何が原因なのでしょうか、お伺いいたします。 私には娘が3人います。例えば、きょう学校が終わり、剣道をして帰ってくるはずが帰ってこない。私は、恐らく子供を探しまくるでしょう。でもわからない。そうしたら、ありとあらゆる機関に電話をかけ、もうありとあらゆる電話をして、相談をすると思います。そして数十年、私は80歳を超えました。恐らくこの国、この国の人々の冷たさに打ちひしがれているでしょう。横田さんを初めとする拉致被害に遭われた方のことを考えると、どうすれば連れ去られた子供たちは帰ってくるのかと真剣に悩みます。対岸の火事ではないのです。人ごとではないのです。 市長の胸には、いつもブルーリボンがあります。今、上着は着ておられませんけども、ブルーリボンがついてますね。政治家として、和歌山市民37万人のリーダーとして、ふだん何のためにつけられているのですか。一般の人なら、このバッジをつけることに意味があるんです。政治家がつけるということは、その意思に基づいて行動しなければならないのではありませんか。そうだとするならば、和歌山市の子供たちにはせめて、この重大な苦しくてつらい問題に向き合い、人としての存在、人としてのあり方を学ばせなければならないのではありませんか。 先ほども申し上げました、市長は、市民37万人ですよ、37万人のリーダーです。市長が教育委員5名の任命をします。その中から教育委員長、教育長が選ばれて、その人選によって組織される教育委員会が、私たちの和歌山市、未来の和歌山市をつくる子供たちの教育環境、方向性などを決めていくわけです。市長が教育委員を決め、市長は市民が決めているのです。この意味の重さを理解されていますか。 今回の質問は、調査員、選定委員の選定基準もない中で委嘱状を手渡すという極めて危険な行政行為、議事録もない、ましてや公文書作成の不備についてお伺いするものです。 結局、子供たちの教科書を適当にしか選んでいない、大人として未来ある子供たちに思いをはせ、選ぶという気概が全く見えてこない、不誠実な行政行為だったのではないでしょうか。 このような組織にしているのは、紛れもなく市長、市長なのではありませんか。だから、市民から誤解を招くような適当な公文書を作成していたのでしょう。教育のパワーアップと盛んに言われる市長ですが、何をもってパワーアップと言われているのですか。どれだけソフトやハードの面を整備しても、教育にかかわる者が教育そのものに熱意を持ち、真摯な姿勢を保たなければ、教育を受ける者、つまり子供たちに何ら成果ももたらさないのではありませんか。 和歌山市の教育委員会という組織が、政治不介入を盾にし、聖域となっているからこそ、何らチェックもできず、市民の情報開示にもまともにこたえられていないのではありませんか。これからの和歌山を背負っていく子供たちにすぐれた教育を提供するために、どう考えているのですか。 以下、お尋ねいたします。 今回の質問、再質問を聞き、本日からどのように教育行政に反映させていこうとお考えですか。君たちを立派に成長させるために教育を真剣に考えているんだよと実感させることのできる、人をつくるという、国の品格を決めていく教育をどのようにしていくのですか。冒頭から申し上げた道徳という観念をどのように学ばせるのですか。お答えください。 最後に、教科書を採択することで、2万人をはるかに超える子供たちが、その教科書に触れ、学ぶという事実に、不誠実から誠実に変わる方策を申し上げます。いいですか、よく聞いてください。 地区採択協議会の委員と選定委員を兼務しない。採択議事録は明確にとっておくこと。市民に向けた教科書展示会を広く周知し、見ていただき、意見を求めること。べらぼうな教科書採択の作業量に向き合って--確かに全教科、もう何十社とあるわけですから、そら物すごい数です、それはわかります、理解できます。この作業量に向き合って、見たこともない子供たちに思いをはせて、責任を持って--地区採択協議会、つまり教育委員会です、5人です。責任を持って採択すること。そして、何より和歌山市を愛し、和歌山市の未来を担う子供たちを愛して、自分のことではなく、その子供たちの10年後、20年後を案じ、目の輝きをなくさせることのない人づくりに人生をかける教育者、指導者の育成に真剣にお取り組みいただくことを心から提案し、質問を終わります。まことにありがとうございました。(拍手) ○議長(和田秀教君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 7番浦平議員の再々質問にお答えいたします。 まず、DVD「めぐみ」について、教育委員会は懸命に指導しているのにもかかわらず、授業展開していない学校が圧倒的に多い。特に中学校はゼロ校であるが、この原因について市長はどう思うかということであります。 DVD「めぐみ」は、子供が視聴して拉致問題を正しく理解し考えるのにふさわしい教材だと思っております。教育委員会は、積極的に活用するよう働きかけているにもかかわらず、学校で取り入れられていない現状について、私もそれでよいとは思っておりません。 今後、教育委員会において原因を調査研究することにより、DVD「めぐみ」の活用が一層進むことを期待いたします。 次に、今回の質問、再質問を聞いて、どのようにそれを--このやりとりのことをどのように教育行政に反映させていくのか、君たちの教育を真剣に考えていると実感させることのできる、人をつくる、国の品格を決めていく教育をどのようにしていくのか、道徳という概念をどのように学ばせるのかといったことについて述べよということであります。 私と教育委員会の委員の皆さんとは--教育委員の皆さんですね--毎年何度か定期的に懇談会を開いております。その場でのさまざまな意見交換を通じて、私の市政に対する基本理念を理解していただくとともに、現在の教育課題や未来を担う子供の育成について、共通の理解を有していると考えております。 今回、議員から御指摘があったことにつきましては、先ほどから教育委員長や教育長から答弁がありましたが、率直に感想を申し上げますと、9月議会での議員との質問、それと答弁のやりとりの経緯、そこで答弁されていたことが十分に重く受けとめられてなかったんじゃないかな、そういうことがこういうことにつながったのかなというふうに思いました。事務手続、事務執行について、今以上にきちんと取り組むべきだと考えております。(「教育の内容と違ったら指導できるがな、市長が頑張って指導せな」と呼ぶ者あり) また、人づくりはまさに教育の目標であり、個人の尊厳を重んじ、真理と正義を希求し、公共の精神をたっとび、豊かな人間性と創造性を備えた人間の育成を目指すものであります。 もとより人づくりは国づくりであり、国の品格を決めるための教育のあり方については、人格の形成を目指し、国家、社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期して行わなければならないと考えています。 そのために、学校における道徳教育を充実させていくことが重要であるのは言うまでもありません。道徳をすべての教育活動の中核に据えて、計画的に実施していくべきであると考えます。また、道徳という観念を学ばせるためには、正直、謙虚、誠実、勤勉、ふるさとや国を愛する心などといった道徳的価値を発達に応じて繰り返し、子供が感動とともに学習していくようにすることが大切であり、何よりも大人が模範にならなければならないと考えております。 以上でございます。(「行政事務は主張せなあかんで、独自性とは別の話やで」と呼ぶ者あり) ○議長(和田秀教君) まあいろいろと問題もあろうかと思いますが、この際、市長に申し上げたいと思いますが、市長は、もともと教育委員会の運営については、市長として関与できないというふうな発言も今までありました。しかし、教育あるいはまちづくりについては、和歌山市のトップである市長が、あなたがリーダーであるということを強く申し入れをやります、議長として。 しばらく休憩します。          午前11時42分休憩   ---------------          午後1時11分再開 ○副議長(野嶋広子君) 休憩前に引き続き、会議を開きます。 日程第2の議事を継続し、質問を許します。 渡辺忠広君。--15番。 〔15番渡辺忠広君登壇〕(拍手) ◆15番(渡辺忠広君) それでは、議長のお許しを得ましたので、通告に従い、一般質問を行います。通告は2点ありました。 1つは、和歌山市の農業施策のあり方について、1つは、住金構内の共同火力あるいは海南発電所のこうした発電所のリプレース計画についてお尋ねをしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 まず、1点目の和歌山市の農業、そのあり方について幾つかお尋ねをいたします。 市長は、たびたびこの議会においても、農業は和歌山市の基幹産業、こう位置づけられて表明もされ、私はその位置づけにふさわしい施策を要請してまいりました。 市の農業施策を考えるときに今日避けて通れない問題の一つに、TPP--環太平洋パートナーシップ協定に対してどのような対応をとるのか、その根幹をなす問題だと、今日の問題だと思っております。ことしの4月30日、日米首脳会談で民主党の野田首相がTPP参加表明をするのではないか、こうマスコミに報道され、改めて全国の農業団体、医師会を中心とした医療団体、消費者団体、中小企業団体等がTPP協議参加反対の意思表示をされ、私たち日本共産党も全国で街頭から、TPP協議参加は、農業のみならず日本の産業を崩壊させるもの、こう思い、協議参加反対の運動を展開してまいりました。 この和歌山市においても、JAを初め多くの団体がTPP協議参加反対の運動を展開され、和歌山市議会においても、TPP協議参加反対に関する意見書を採択いたしました。改めて、この場において市長にTPPに対する所見をまずお伺いをいたします。 さて、和歌山市の農業の実態について幾つかお尋ねをいたします。 和歌山市の農業は、都市近郊農業として、市民に安全・安心、新鮮な農作物を市民に届け、また、農地は豪雨などから市街地を守る貯水池の役割、地下水の涵養、また、自然景観の保持等々、多彩な役割を果たしているというのは承知のところであります。 和歌山市は、市の基幹産業としての位置づけにふさわしい施策を展開しなければならない、このように私は思っております。今日の和歌山市の農業の実態をどのように認識をされているのか、まず答弁を求めます。 次に、農業に関連する予算の推移についてであります。 農業施策を推進するために、それぞれの農家は収益の拡大や経営の安定のために多くの努力をされていることは承知のところであります。その上に、行政の果たす役割も私は少なくない、このように思っております。 そこで、近年の市農業費決算額の推移をお答えください。 次に、今後の農業展望について幾つかお尋ねをいたします。 一つは、新規就農者の支援の問題です。国はさまざまな農業支援策を今日提案し、実施をしておりますけれども、和歌山市に影響する主な支援策はどのような施策があるのか、また、和歌山市独自の支援策はどのようなものがあるか、お尋ねをいたします。 次に、四季の郷公園についてであります。和歌山市の農業施策を推進する上で、和歌山市の四季の郷公園事業は、昭和48年、農業公園基本計画を策定し、自然観察、農水省の混在地域型農地開発事業と位置づけ、平成6年度以降は農業農村活性化農業構造改善事業地域指定事業として認可がされ、平成7年5月、四季の郷公園としてオープンをした経緯があります。 その後、バラ園やフルーツパラダイス、農産物販売所やショウガの育成、フジ棚の植栽、露地バラ園、遊具整備等々さまざまな事業が展開をされてきました。 現在、その中のブルーベリーの育成事業、ショウガ種のバイオ育成事業、バラの養液栽培事業等、農業振興事業のための施策はどのようになっておりますか。四季の郷農業構造改善事業の現状をどのように分析をされておられますか。また、遊具等を除く四季の郷公園事業の決算はどのように推移をしてまいりましたか。今後の四季の郷公園事業をどのように展開をされようとしているのか、答弁を求めます。 次に、市民農園の問題です。 和歌山市の農地保全、農業振興を図る上で、市民農園の役割は極めて大きなものがあります。さきの和歌山市の総合計画立案の際、市民農園の拡大を総合計画に掲げることを要請し、計画では10園とする計画を立案されておられますけれども、現在、どのようになっていますか。その特徴はまたどのようなものがあるか、答弁を求めます。 次に、耕作放棄地対策の問題です。 市街化区域、市街化調整区域指定にかかわらず、農地保存は、市民にとっても行政においてもかけがえのないものだと思っております。ところが、近年、農産物の価格低迷と輸入農産物の拡大、農業従事者の高齢化、農業後継者不足等々の要因で耕作放棄地が目立つようになってまいりました。 とりわけ市街化調整区域内の耕作放棄地は、近隣農地、農作物への病虫害の要因となり、市街化区域内の耕作放棄地は、近隣住民への害虫被害、また、雑草の種の飛散は空調設備の屋外機の目詰まりなどの要因となり、また、粗大ごみの不法投棄等々、市民の苦情もふえております。耕作放棄地対策は喫緊の課題ではないかと私は思っております。 耕作放棄地に対しては、和歌山市の農業委員会の指導のもとに対策が強化され、少しずつではありますけれども、対応がされつつあることは承知をしております。問題は、市街化区域指定されている耕作放棄地であります。雑草が生え、近所迷惑になっている農地の管理責任は地主にあることは当然のことでありますけれども、どのような対応がされているかお聞きをいたします。 次に、農機具倉庫等への課税の問題です。 農家が農地の一部に農機具倉庫の建物を設置した場合、宅地として課税をされております。農家にとって欠かせないのが、田植え機やコンバイン等々の農機具であります。今日の農機具はさまざまな機能が搭載されているために、機具そのものが大型化しております。農業継続のために必要な農機具倉庫が宅地課税となっている根拠を教えてください。 次に、河西地区における公害被害の実態と対策についてお聞きをいたします。とりわけ、住金構内にある共同火力第1発電所のリプレース事業における和歌山市の対応についてお尋ねをいたします。 2月の定例議会で、環境保全対策特別委員会でも、住金和歌山構内の共同火力発電所の1号機リプレース計画にかかわり議論がされてまいりました。 近隣住民からは和歌山市に対して、また、和歌山県に対して、地域環境にかかわって意見書や要望書が提出をされております。 住友金属和歌山製鉄所の環境に対して、県及び和歌山市の3者で環境保全協定覚書が昭和46年2月27日に締結以来、6度の見直しが行われ、平成16年3月24日、見直しが締結をされ、それ以降、今日に至っていることは承知のところであります。 この間、住金和歌山では新高炉の稼働等により生産量は増大し、近隣住民からは、粉じんが多くなった、臭気が絶えない、また、ガラス粉がふえてきているとの苦情が私のもとへも多く届けられてきています。その中で、今回、第1発電所リプレース計画が発表され、設計計画は、既に和歌山県知事の必要に応じて環境保全措置要請、これも完了して、事業の着手となっております。 近隣住民からどのような意見が和歌山市に寄せられておりますか。また、住金和歌山の粗鋼生産量の推移は、協定締結後、また、協定締結時、どのような推移になっているのかお答えください。 次に、この環境影響評価の和歌山市の意見書についてお尋ねをいたします。 今回のリプレース計画に当たって、和歌山県から和歌山市に対して、共同火力が提出した環境影響評価に基づいて評価の意見書が求められ、県に対してどのような対応がされ、どのような回答がされたかお聞きをいたします。 次に、和歌山県の環境影響評価審査会の答申と和歌山市の対応についてお聞きをいたします。 県から求められた意見書を回答するために、和歌山市は和歌山市の環境基本条例、その第25条に基づいて和歌山市環境審議会を開催し、広く専門家の意見を聞き、その対応をされてきたかどうか、審議会を開催しなかったとすれば、条例との関連でどのような判断をされたのかお聞きをいたします。 次に、国における法の改定についてお聞きをいたします。 環境影響評価法は昨年の4月27日に改正され、ことし4月1日以降施行されております。4月1日以降の法改正に関連をして、今回の共同火力発電所リプレース事業との関連はあるのか、ないのか、答弁を求めます。 また、法の改定に関連をして、関西電力と和歌山市は、昭和47年4月8日、公害防止協定覚書を取り交わしていることは承知のところであります。以来、これも5度の見直しがされ、平成16年2月5日以降、今日に至っております。今回の環境影響評価法の法改定によって、関西電力海南発電所2号機の再稼働に対して影響があるのか、ないのか、お聞きをいたします。 さらに、共同火力のリプレース計画に対して、承知のように、紀の川河口から和泉山系に至る地域は中央構造線の断層上にあり、かつ、共同火力の第1発電所建設周辺は推定断層の存在が指摘をされております。このことについて、環境影響調査書はどのような見解を示していますか。 幾つかのことをお聞きし、第1問といたします。(拍手) ○副議長(野嶋広子君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 15番渡辺議員の一般質問にお答えします。 市の農業のあり方に関連して、市長のTPPに対する姿勢について改めて所見を述べよということであります。 現在、政府は、TPP交渉参加に向けた関係国との協議に入っています。しかしながら、現時点においても議論が尽くされておらず、国民的合意はいまだ形成されていないように思われます。 また、TPPは、農林漁業のみならず、医療など幅広い分野の国内制度に影響をもたらす可能性が高く、さらに、一度決めた規制緩和をもとに戻すことができないラチェット規定や、経済活動において2国間で紛争等が発生した際に解決を図る投資家・国家訴訟--ISD条項など、問題とされる内容を含んでおり、さまざまな意見のあるところで、関係国との協議に当たっては慎重な対応を強く望みます。 こうした状況のもと、政府は高いレベルでの経済連携と農林漁業の再生の両立を旗印に、必要な施策を集中展開することとしております。 TPP問題につきましては今後も注視していく必要がありますが、それにも増して、本市の基幹産業としての農業の再生は待ったなしの状況にありますので、国や県の施策を最大限活用するとともに、本市独自の施策も展開し、関係機関、団体と一丸となって農業振興に取り組みたいと考えております。 以上でございます。 ○副議長(野嶋広子君) 東まちづくり局長。 〔まちづくり局長東 重宏君登壇〕 ◎まちづくり局長(東重宏君) 15番渡辺議員の一般質問にお答えします。 市農業のあり方について、3点ございました。 まず、市の農業の実態について、和歌山市の農業の実態をどのように認識しているかとの御質問です。 和歌山市の農業は、恵まれた風土のもと、都市近郊の有利性を生かし、地元はもとより京阪神の大消費地への生鮮農産物の供給基地として発展してきました。 今日の本市農業の実態を申し上げますと、平成22年における農業産出額の総額は86億円で、うち野菜と米の産出額は、いずれも和歌山県下の市町村中1位となっております。 一方、平成22年農業センサスでは、農家数は4,093戸で、うち販売農家数は2,500戸であり、10年前と比較して農家数で14%、販売農家数では48%減少し、農業就業人口の平均年齢は65.1歳で、高齢化が進んでいます。また、耕作放棄地も438ヘクタールあり、10年前の約3倍と大幅に増加しています。 そのため、生産性の高い農業への転換を目指し、新規就農者の確保や担い手農家の育成を行うとともに、耕作放棄地の解消を図るため、農業委員会、JAなど関係機関、団体と連携し、遊休農地解消対策事業、耕作放棄地再生利用交付事業等、諸種の施策に取り組んでいるところです。 次に、農業予算の推移について、近年の市農業費決算額の推移はとの御質問です。 農業費の決算額の推移につきましては、平成14年度は9億937万円、平成18年度、6億7,202万円、平成22年度は5億5,755万円となっています。 農家数や農地面積の減少に伴い、国及び県の補助事業関係の予算規模が縮小傾向にあり、また、食肉処理場の廃止などの要因により農業関係予算が減少していますが、直近の平成22年度当初予算と平成23年度当初予算の比較をしますと、約1,000万円の増額を行いまして、その結果、伸び率2.3%となっています。 具体的に、平成23年度における農業関係の主要事業を申し上げますと、JAわかやまが農作業の省力化と優良苗の提供による産地力の強化を図ることを目指し導入しました育苗施設に支援を実施したのを初め、国の緊急雇用創出事業を活用し、耕作放棄地の解消や獣害対策の事業を行うとともに、ふるさと雇用再生事業の適用を受け、市民農園の拡大を目的とした事業並びに伊太祈曽駅と四季の郷公園が連携し、相互の活性化と、たま駅長ブランドのブルーベリー関連商品の開発を進めるなど、諸種の事業に取り組んできました。 次に、今後の農業展望について5点ありました。まず、新規就農者支援について、国の農業支援策で和歌山市に影響する主な施策にどのようなものがあるか、また、市独自の支援策にどのようなものがあるかとの御質問です。 国の農政支援策には、法人や個人に対するさまざまな支援策があります。中でも、全国的に注目されているのが、新規就農支援事業の青年就農給付金制度です。この制度は、準備型、研修費として150万円を、個人に対し最長2年間、その後も経営開始型として5年間の助成が受けられる制度になっています。また、新規就農者等が農機具等を導入する際、補助金が交付される経営体育成支援事業や無利子の融資制度があります。 本市独自の支援策については、本市農業委員会、JA等で構成する和歌山市農業再生協議会において、農地のあっせん、制度資金や国の補助事業の紹介など、新規就農者が就農に至るまでのサポート支援に取り組んでいるところです。 次に、四季の郷公園についてですけども、ブルーベリー育成等の農業振興事業の施策はどうなっているのか、農業構造改善事業の現状はどのように分析しているのか、また、四季の郷公園事業費の決算はどのように推移しているのかとの御質問です。 農業振興施策として、バイオテクノロジーを初めとした先端技術を活用して、バラの養液栽培と品種改良、新ショウガの無菌苗の研究並びにブルーベリーの養液栽培と品種の比較試験などの取り組みを行ってまいりました。その結果、バラの新品種が1つ誕生するとともに、本市におけるブルーベリーの栽培面積がゼロから2ヘクタールに増加し、さらにブルーベリージャムの商品化も実現し、農業構造改善事業については一定の成果を上げているものと思います。 また、四季の郷公園事業費決算の推移につきましては、平成14年度、6,879万円、平成18年度、4,961万円、平成22年度、6,186万円となっております。 次に、四季の郷公園のもう一つですけども、今後の四季の郷公園事業をどのように展開していくのかとの御質問です。 四季の郷公園は、四季を通して自然と農業に親しむ空間を市民に提供し、自然保護の大切さの啓発並びに農業の発展に資することを目的としており、市内外からたくさんの方が訪れています。 ことし3月には、新たに自然観察の森エントランス広場及びネイチャーセンター内に幼児を対象とした遊具を設置しました。遊具を設置してまだ3カ月ですが、前年度と比較して、顕著な来園者の増加が見られます。その中でも、特に幼児連れの方がふえており、今年度は幼児対象のイベントを6イベントふやしています。また、春のタケノコ掘りのイベントは、予約制とするほどの人気を得ています。 このような来園の機会を通じて、四季の郷公園の持つ豊かな自然環境の中で、昆虫や野鳥等の小動物や植物との触れ合い、そしてバラやブルーベリーの高度な栽培方法をごらんいただき、自然環境保全の大切さや農業の魅力を学んでいただくとともに、果樹栽培等の先端技術情報の発信など、今後も施策の充実に取り組んでまいります。 次に、市民農園の拡大について、総合計画では市民農園を10園に拡大するとなっているが、現在はどうなっているか、その特徴はどのようなものかとの御質問です。 現在、長期総合計画の目標である10園を達成しています。本市の市民農園は、農地を小区画に分け、野菜や草花を栽培することにより、余暇利用や土と親しみながらの健康づくり、さらには農地の保全や農業に対する理解を深めていただくことを目的に、農家はもとよりNPO団体等が開設主体となり、現在、10農園、1ヘクタールが開園し、利用者の好評を得ているところです。 平成19年度以降にNPO団体等が開設した6農園につきましては、市民農園整備促進法に基づき開設されていることから、トイレや農機具収納施設などの附帯設備が完備された市民農園となっていて、住民のレクリエーション目的などで自家用の野菜や花の栽培が行われています。 最後に、耕作放棄地対策について、市街化区域指定されている耕作放棄地について、どのような対応をしているのかとの御質問です。 平成21年12月に農地法が改正され、市街化区域、調整区域を問わず、耕作放棄された遊休農地に対して農業委員会が指導を行うこととなっており、本市においても、遊休農地があれば農業委員会で雑草防除等の指導を行っています。 市街化区域の農地は、安心して貸し借りできる制度である利用権の設定が対象とならないことから、遊休農地を担い手農家等へ貸しつけることは困難な状況です。そのため、本市では、市街化区域内の遊休農地の有効活用を進める目的で、農業委員会及びJAと連携し、市民農園や学童農園及び福祉農園等への利用を推進しています。 以上でございます。 --済みません。訂正させていただきます。 本市の耕作放棄地について、答弁の中で430ヘクタールと申し上げましたが、正しくは438ヘクタールでありまして、訂正しておわび申し上げます。 ○副議長(野嶋広子君) 山口財政局長。 〔財政局長山口研悟君登壇〕 ◎財政局長(山口研悟君) 15番渡辺議員の一般質問にお答えいたします。 市街化区域内の農地に農機具倉庫等の建物を設置した場合に宅地課税となる根拠を述べよとのことでございます。 土地の地目の認定におきまして、建物の敷地につきましては宅地として課税することとなっております。したがいまして、農機具倉庫が建物として認められる場合、建物の敷地は現況宅地として地目認定されます。 以上でございます。 ○副議長(野嶋広子君) 上島市民環境局長。 〔市民環境局長上島 勲君登壇〕 ◎市民環境局長(上島勲君) 15番渡辺議員の一般質問にお答えします。 本市の環境施策について、共同火力発電所事業について5点、海南火力発電所事業について1点ございました。 まず、共同火力発電所事業について、1点目は、近隣住民からどのような意見が和歌山市に寄せられていたのか、また、住金和歌山製鉄所の粗鋼生産量は、現在の環境保全協定を見直した平成15年と、その後の推移はどうなっているのかとの御質問です。 近隣住民の意見は、現状より新1号機が民家に近づくこと、煙突が現在より低く計画されていることから、大気汚染等が心配であるという内容でございました。 また、住友金属和歌山製鉄所の年間粗鋼生産量は、平成15年は383.9万トン、平成19年は422万トン、平成20年は424万トン、平成21年は359.1万トン、平成22年は449.9万トン、平成23年が474.6万トンとなっています。 2点目として、今回のリプレース計画に当たって、認可する和歌山県から和歌山市に対して求められた評価の意見書には、県に対してどのような対応をし、回答したのかとの御質問です。 市からは、方法書については内容に異論がないということ、準備書に対しては、新設備が民家に近くなることに対し、住民の不安があることから、十分な環境保全対策を講じ、これを確実に実施し、周辺への環境影響を現状と同等以下とするよう要望しますという意見書を県に提出いたしました。 3点目は、県から求められた意見書を回答するために、市は和歌山市環境基本条例の第25条に基づき和歌山市環境審議会を開催し、広く専門家の意見を聞き、その対応をされてきたのかどうか、審議会を開催しなかったとすれば、市の条例との関連でどのような判断をされたのかとの御質問です。 和歌山市環境審議会は、和歌山市環境基本計画、和歌山市地球温暖化防止実行計画や和歌山市環境マネジメントシステムなど、環境の保全及び創造に関する基本的事項について審議していただくものであり、この件での審議会は開催しておりません。 また、共同火力発電所の事業は、老朽化した1号機を最新型に変更するもので、環境に与える負荷も低減される計画であると認識しており、専門家の意見を聞く必要がないと判断したものです。 4点目は、環境影響評価法が昨年4月27日に改正され、本年4月1日に一部が施行された。この法施行に関連して、今回の共同火力発電所リプレース事業との関連はあるのか、また、海南火力発電所事業について、関西電力海南発電所2号機の再稼働に対して、今回の法改正の影響はあるのかとの御質問です。 昨年の環境影響評価法の改正の主な内容は、対象事業に交付金事業と風力発電事業を追加すること、方法書段階での説明会開催の義務化、環境影響評価図書の電子縦覧の義務化、評価項目等の選定段階での環境大臣の技術的助言を規定、評価書段階での環境大臣助言手続の創設、政令で定める市から事業者への直接の意見提出などで、本年4月1日から一部施行されています。 なお、和歌山共同発電所1号機リプレース計画に係る環境影響評価は、和歌山県環境影響評価条例に基づいて実施されており、今回の法改正とは関係ございません。 また、関西電力海南発電所2号機の再稼働に関しても、今回の法改正との関係はございません。 最後に、共同火力の第1発電所建設地周辺に存在すると指摘されている推定断層について、環境影響評価書はどのような見解をしているのかとの御質問です。 今回の環境影響評価書には、推定断層に関する見解は示されておりません。 以上でございます。 ○副議長(野嶋広子君) 15番。 〔15番渡辺忠広君登壇〕(拍手) ◆15番(渡辺忠広君) それぞれ答弁をいただきましたので、第2問に移らせていただきます。 まず最初に、TPP参加の問題ですが、参加を前提とした交渉は既に行われております。市長は、国民的合意は得られていない、また、TPPは農林漁業のみならず、幅広い分野の制度に影響をもたらす可能性が高い、一度決めた規制はもとに戻せない--ラチェット規制ですが--等々、TPPに関して市長として今日の御認識の御答弁がありました。市長として、こうしたさまざまな問題のあるTPP交渉参加に慎重な対応を望むとの答弁でありましたけれども、少なくとも賛成する立場の御認識ではないと、このように理解できますが、明確に反対をするとの答弁ではございません。 ちなみに、和歌山県、このTPPの参加によってどのような影響があるのかということでありますけれども、和歌山県の農林水産部というところがそれを試算しております。 影響額をざっと見ますと、影響額の総額は136億円と試算がされております。関税撤廃による被害のうち農産物、とりわけ米だけを取り上げれば85%の生産減を予測しております。そのことによって70億5,500万円の収入減となる、輸出への影響は350万円、このように影響を試算しております。輸出の影響の350万円というのは、かんきつ類や、また、一部の農産物を輸出する際に利益を伴うということで350万円と、このように試算をしておりますけれども、とりわけ私は、和歌山市の米の生産への影響は避けられない、このように思っております。 例えば、平成22年度の和歌山市の米の生産量は、和歌山県内比では23.5%、断トツトップの生産量であります。単純に計算すれば、県内の被害額は70億5,500万円の23.5%ですから、和歌山市だけでも16億6,000万円の被害総額を単純に試算ができるということであります。米だけでもはかり知れない影響をもたらすのがTPPへの参加だと、こうしたことが言えると思います。 国や県施策を活用して--米だけでもはかり知れない影響を持つわけですから--和歌山市独自の農林振興に取り組む、この姿勢が非常に大切だと思いますし、取り組むとの答弁でもありました。TPP参加は、その農業を初めとする国内産業に大きな影響と同時に、私は産業構造そのものの崩壊をもたらすものと、このように思っておりますので、TPPに対し、明確に反対する姿勢を示していただくことを強く要望いたします。 次に、和歌山市の農業実態について答弁がされました。 和歌山市の農産物は、水稲、裏作としての白菜等の葉物野菜は県内最大の生産地で、都市近郊農地として有利性を生かし、今まで発展をしてまいりました。10年前と比較して、農家数で14%、販売農家数は48%減少し、耕作放棄地も10年前に比べ3倍も増加している、このように和歌山市の農業の実態の答弁がありました。 こうした和歌山市の農業の実態をこのまま放置すれば、大変な事態になることはもう既に明らかです。行政の支援が求められることは言うまでもありません。 そこで、当面する農業施策の幾つかについて、再質問をさせていただきます。 1つは、和歌山市の農業費決算の推移についてお聞きをし、答弁がされました。平成14年度が約9億937万円、平成18年度、約6億7,200万円、平成22年度、約5億5,755万円、年々右下がり、減少してるということであります。とりわけ平成14年度と平成22年度の決算費比較では、実に61%、こういう推移になっております。 市長が、和歌山市の農業というのは基幹産業、こう位置づけられているにもかかわらず、行政として農業支援のための予算は削減の方向がとられてまいりました。圧縮予算措置が和歌山市の方向のようですが、これでは農林水産事業、とりわけ産業としての農業は衰退の方向をさらにとらざるを得ない、このように考えざるを得ません。 こうした農業支援のための財政支出は、市長の基幹産業としての位置づけと裏腹な状態になっていることを、どのようなことを考えて予算を組んでおられるのか、まず、その所見をお聞きいたします。 次に、新規就農者支援についてお聞きをいたしました。 国の施策をいろいろ答弁されましたけれども、和歌山市の独自の施策が見当たりません。新規就農者に対して、国の施策に上乗せをし、和歌山市独自の支援策を図るべきだ、このように私は思います。農地のあっせんや国の補助事業の紹介では、新規就農者の支援としては十分とは言えません。 現在、新規に就農を望む市民は本当にふえています。農家として軌道に乗るまでの間、生活支援が不十分なために、土地もあり、人もあるにもかかわらず、その支援が薄いために新規就農者が二の足を踏んでいるというのが、今の和歌山市の実態です。 ほかの都市の例を見れば、市町村が独自に生活支援を行っているところは、2010年の当初議会でも幾つかの例を挙げて指摘をさせていただきました。当時、答弁は、「どういった施策が効果的であるかを精査し、本市独自の支援施策を含め、各種事業を展開していきたい」と、2010年の当初議会で答弁がされました。 不十分な国と県の施策以外に、新たな支援策は残念ながら展開をされていない。じゃ、どのような事項が、今日まで、実現はしなかったにしても検討されたのか、また、されてなかった理由は一体なぜなのか、答弁をしてください。 また、2010年の当初議会で、水害等による農産物の被害に対する農業共済制度の拡大を要請してまいりました。当時、答弁は、必要であることは認識している、関係機関と連携し、検討したい、このように答弁されました。もう既に4年たっています。現在、その検討はどのようになっておりますか。他都市の実例を参考として、早急に、主要な農産物に対し、農業共済制度の確立を再度この場から要請をいたします。とりわけ新規就農者が農作物の被害を受ければ、たちまち泡となくなってしまう、このように思います。 再度、米やハウス栽培、果樹のみならず、主要な野菜に対する農業共済制度の確立を改めて要請をいたします。 次に、耕作放棄地と市民農園についてでありますけれども、まず、市民農園、4年前に4園でしたが、今日10園へと拡大されてきたこと、これ、私は本当に評価をしたい、このように思っております。 答弁されたように、耕作放棄地を市民農園として広く市民の皆さんに農業の楽しさに親しんでいただくと同時に、農地の保全として市民農園の役割は大きな意義を持っているものと思います。ところが、市街化指定地区農地は、利用権設定が農業経営基盤強化促進法の定めでできないことになっております。市街化指定農地の耕作放棄地対策がはかどらない大きな要因の一つでもあります。 その市街化指定地区農地の保全のために、市民農園制度を広く活用することで、耕作放棄地対策は進められるもの、このように思います。 市街化区域農地の耕作放棄地地主に対して、広く市民農園への利活用を呼びかけるべきであると私は思います。和歌山市が仲介し、法人設立の支援や福祉農園、個人契約の市民農園を呼びかけることは本当に大切だと思います。そのためには、地主に対する税制制度の減免、免除を含めた制度を明確にすることが求められていると思います。 現在、和歌山市の人口は減少傾向にあり、これ以上の市街化区域指定された農地の宅地化の必要性は見込めないことは明らかであります。市街化推進でなく、農地の果たす多面的役割を生かし、その農地の機能を生かすためにも、市街化指定地区農地の保全のために、可能な限り行政支援を要請したいと思います。とりわけ、税制制度の改善を要請いたします。 次に、農機具倉庫課税について答弁がありました。 現況、宅地として地目設定されるとのことであります。農家が農業を維持、継続するために農機具倉庫は欠かすことができません。ところが、今、私たちが住んでいる家は小規模住居並み課税ではなく宅地並み課税となり、実際に、私どもの住んでいる家屋の税制は6分の1免除規定がされております。ところが、農家の倉庫にとっては、その適用がされておりません。 同時に、また、同じ敷地内に私どもが自家用の車庫をつくったときにも、同じように宅地課税相当額の6分の1の特例課税制度が適用されることになります。その根拠は、生活をする上で必要不可欠な経費であるからであります。 ところが農家の場合、同じように農業を継続する上で必要不可欠な農機具倉庫、税制の減免制度は適用されておりません。宅地相当額の100%課税となっているのが今の農業倉庫であります。1問でも述べましたが、農機具はいろんな機能を持っておりますので、大きな機具になっております。また、乾燥機を備えれば、農業倉庫といえども10坪以上の敷地を必要としているのが今の農家の実態です。 多くの農家にとって、倉庫の宅地並み課税は残酷な「酷税」と言われております。農業支援のため、農業倉庫課税を、せめて私たちが一般的に住んでいる住宅と同じように、小規模住宅用地と同等の特例として条例制定の検討を図るべきだと思いますが、いかがでしょう、答弁を求めます。 次に、農業問題の最後に四季の郷公園についてであります。 私は、当初、市会議員になって初めて四季の郷公園へ行ったときに、全国でも非常に珍しい公園だと思って喜んでおりました。農業支援のための施策ということで整地もされ、非常にきれいな公園になっております。とりわけショウガの種芋、このバイオ生産、やっておりました。ところが、2年前から事業が廃止されております。バラ園、大きな温室をつくって、きれいな花が年じゅう咲いておるんですけれども、十分な予算措置はされていません。 四季の郷の本来の目的は、農業の活性化を主目的として幾つかの事業を展開してきましたが、そのいずれも、私の素人目から見ても、うまくいっていると、とても思えた代物ではありません。その上、予算も年々削減され、所期の目的とは大きくかけ離れた事業になっているというのが四季の郷公園事業ではないかと、このように思います。 1問の答弁では、農業の魅力を学んで、果実栽培の先端技術情報の発信等々を展開する、このように述べられましたが、言葉にすればきれいに見えますけれども、先が見えてこない答弁です。農業活性化のためを目的とした公園ではなく、今、児童公園や児童遊園、あるいは一般公園とするならともかく、他都市にはない、当初目的を維持する公園として再構築すべきではないかというのが私の意見であります。 私は、昨年、紀南地方のある地区で、ササユリロードというのを見てまいりました。ササユリというのは、本来、昔はずっと山沿いの堤などで自然に生えていたユリの一種なんですが、このササユリというのは栽培が非常に難しい花です。私の田舎などではよく栽培はされておるようですけども、このササユリなんかを、せっかく培ったバイオ技術、これを生かせば、四季の郷公園の堤、堤防一面にこのササユリロード、ぱっと何百メートルとつくれば、本当に市長、たくさんの観光客が来るんです。せっかく培ったバイオ技術ですので、ぜひとも実現していただきたい。 もう一つ、クロユリというユリがあります。これは、寒いところで咲くユリだそうですけども、大阪の一部でこのクロユリの栽培に成功しております。和歌山市のこのバイオ技術を持った技術者がバイオマスで先端技術を活用すれば、1万株くらいすぐにできます。そういったものを、バラユリロードといって四季の郷でつくる。 今、フジ棚、非常にきれいです。フジって非常にきれいなんですけど、花が短いんです。すぐに咲いて、すぐに散る。すぐには咲かないけども、すぐに散る。ところが、ユリというのは非常に長くもつ。こんなことをちょっとつらつらと考えるんですが、このバイオ技術を駆使して花卉栽培、和歌山市は花卉栽培が非常に盛んです。この花卉栽培をリード--花卉栽培というのは花のことですが、バラとかユリだとか、この花卉栽培支援をリードする新たな発想を展開していって、四季の郷を盛り上げていっていただきたい、こう思うんです。必ず私はできると、このように思います。 またちょっと余分な話ですけども、実は、四季の郷公園の竹林ですけども、キッコウチクという竹があります。これは、皆さん御存じだと思います。この場所で言うのは私2回目です。この竹があることは承知のことだと思います。かつてキッコウチクというのは、床の間、料亭などの床の間の化粧柱に使われておりました。前任の旅田市長のときに有名になった石泉閣という料亭がありますけども、あの石泉閣の床の間にキッコウチクの飾り柱がありました。化粧柱として和歌山県では非常に有名な竹だったんです、もともと。残念ながら、今、この技術は京都府が持っています。京都の料亭では、このキッコウチクの飾り柱がたくさん今でも、今もつくられるそうです。長もちするそうです。 これも、バイオでつくれるという話をこの前聞きまして、びっくりしてるんですが、こういったことを拡大して育成を図る、そして、四季の郷公園の将来像、展望をぜひとも示していただきたい、このように思います。今後、どのような方向を持っておられるのか、答弁をしてください。 次に、発電所のリプレース計画について幾つかお聞きをいたします。 近隣住民から住金公害に対する声が幾つか和歌山市にも届けられているということですし、私のもとにも多くの苦情が寄せられております。苦情の解決のために何とかしてくれ、このような声もよく聞きます。 とりわけ、住友金属の新高炉の建設以降、住金和歌山の粗鋼生産量、先ほど聞きました。協定当時、粗鋼生産量は最大でも350万トンに至らなかったんですけども、平成19年度以降、420万トン、事実上150%以上に粗鋼生産が拡大されております。昨年の平成23年度では475万トン、近年にはない最高の粗鋼生産量を誇っているわけですけれども、無論、私はその粗鋼生産量が拡大されたからといって、そのことによって粉じんや臭気、騒音が増加した要因だと、このように言っているわけではありません。一定の設備改善も、住金構内の中ではやられてることは承知をしております。 しかし、近隣住民からは、和歌山市が測定しているさまざまな測定値にはあらわれない粉じんや騒音、臭気が住民の毎日の生活の中に飛び込んでくる、とりわけ夜間に集中しているとの声をよく聞きます。こうした時期に、共同火力の第1号発電所のリプレース計画が明らかになったために、住民感情を逆なでしてるというのが今の実態です。 このリプレース計画に対して、和歌山市は県に対して2回、回答いたしました。住民の不安があるから環境保全対策を講じ、周辺の環境を現状と同等以下にするよう要望した、このように答弁されました。 共同火力が和歌山県、和歌山市に提出した環境影響評価準備書、この内容を十分吟味をし、審査をし、回答されたとはとても思える代物ではありません。担当課が何の吟味もすることなく、意見書を求められたから回答した、このように私は思えてなりません。 その一つは、環境影響評価法が改定されました。国の法律です。今回の共同火力のリプレースとは関係がないとの答弁であります。残念ながら、局長の答弁では評価法の改定の内容について述べられませんでしたけれども、法改定には、衆議院の委員会で附帯決議がされております。その附帯決議は、電力供給の緊急性を重視し、環境影響調査に伴う手続の簡略化、これが附帯決議されています。 共同火力の和歌山県、和歌山市に提出された環境影響評価書では、直接かかわりないということですので、以前の生活環境影響評価書が適用されております。建築地点が住居に近づいていること、煙突は従来の120メートルが85メートルに低くなっていること、従来の重油、ガス混焼炉からガス燃料専焼炉となり、硫黄分を大量に含み、発がん性物質を含むタールが混入するCガスをBガスに混入させた燃料にしていること。 また、大気環境評価に至っては、地上気象や高層気象条件調査は独自の調査を怠って、平成7年、平成8年の関西電力がLNG火力発電所建設当時に行った環境調査数値を流用し、大気汚染物質の調査、SOxとかNOxあるいは浮遊粒子状物質等々は、和歌山県、和歌山市の調査をそのまま流用し、独自の周辺調査はされておりません。温排水排出における流れる方向や流速及び海域生物に与える影響等、こうした調査も、平成7年、平成8年の当時、関西電力が実施した環境影響調査書をそっくりそのまま転記をする、また、中央構造線、断層等には触れていない等々、私、河西のコミュニティセンターというところで縦覧されておりましたので縦覧をさせていただきました。ざっと私が縦覧をするだけでも、これだけの環境影響評価書には問題があるんではないか、こうぱっと思いました。そういった代物なんです。 本来、環境影響評価書というのは、事業一つ一つに完結していなければならないものではないんですか。こうした環境影響調査書であることに対してどのように評価をされるのか、答弁を求めます。 次に、1つは、こうした縦覧資料は和歌山市に対して事前に提出をされているはずでございます。資料によれば、平成22年4月に事業概要が和歌山市に提出されております。条例に基づく環境審議会には諮っていない、環境審議会はこうした個別の問題を審議するところではない、こういう答弁であります。 また、老朽化した1号機の変更であり、環境負荷も低減されている計画であるから、専門家の意見を聞く機会は設けていない、こういう答弁であります。環境負荷が低減されているとの判断が私は問題だと思っています。具体的に、その根拠を示すことができますか。 例えば、ばい煙に関する事項をお聞きしましょう。湿り排ガス量と乾き排ガス量--ちょっと難しい言葉ですが--何%増加してるか答えられますか。湿り、乾き排ガス量が増加するその理由は一体何なんですか。排ガス量の増加は了とする根拠はどこにあったんですか。硫黄酸化物や窒素酸化物、粒子状物質の量は、将来数値は現状と比較して減少するとのことですが、その寄与率はどのようになっていますか。その浮遊粒子状物質の測定は、和歌山市の調査でも、和歌山市23カ所の測定地点で、平成21年度測定では、すべての測定点で環境基準は不適合となっています、和歌山市の今の環境実態は、その寄与率は一体どうなっているんですか。今回の燃焼ガスの排出煙突が35メートル下がったことによって、近隣地区への環境の影響負荷寄与率をどのように評価されたんですか。 こうした問題を専門家の意見を聞くことなく、1問の答弁であったように、環境負荷は低減されている、今回は専門家の意見を聞く機会は設けていない、こういう答弁です。 環境保全協定を締結している当事者である和歌山市の態度として、余りにも私は無責任だと、こう指摘します。許認可権は和歌山県であったとしても、環境影響の意見を求められれば真摯な対応を果たすべきだと、このように思います。この点は、ちょっと市長にきっちりと伺っておきたいと思うんです。 今回の場合、既に県は、煙突の色彩指導のみで事業認可を済ましています。今後、条例に規定された和歌山市の環境審議会がこうした個々の問題を審議する場所でないとすれば、個々の事象が発生すれば、直ちに専門家による審議会の開催を常に準備することが必要だと思うが、どのように判断されますか、答弁を求めます。 次に、1つは、環境影響評価法の改定に伴って、今回の共同火力のリプレース事業とは関係のない法改定だと、このような答弁がされ、法改定の趣旨の一つは、さきにも述べました環境影響調査の簡略化です。では、なぜ今回の環境影響評価書に当たって、平成7年、平成8年当時の調査資料の添付がそのまま認められたのか。17年、16年もの以前の調査値の添付で、何の環境も変わっていない、こう判断をされたということです。それでなぜ許可をされたのか、私は不思議でならない。何か根拠はあるんでしょうか。 近年、地球温暖化が叫ばれているにもかかわらず、気象状況も海流、海水温も変化しないと、こういった根拠はどこにあったのか。大量の温排水を放流し、周辺海水温が1度上昇することによる海洋生物への影響はどのようになるのか。市は、環境負荷は低減されているとの判断ですが、根拠も示さず、和歌山県から意見書として環境影響評価書に基づいて意見が求められているにもかかわらず、現状と同等以下とするよう要望する、要望書回答になっています。市民の生活環境に責任を持つ和歌山市として責任を放棄した、このように指摘をします。こうしたことが今後ないよう指摘をします。 今後は、条例に基づいて、必要に応じて事後調査がされることになっております。住友金属の共同火力第1発電所のリプレース計画に対してであります。今後はどのように対応されるのかと、共同火力の提出した環境影響調査書に基づいて、幾つかの私自身の思いを指摘しましたけれども、今、この場で詳しく説明をせよということは言いません。指摘しなかった部分についても、和歌山市として英知を集め、場合によっては専門家の意見を聞き、対応されることを強く求めたいと思います。どのように対応されるのか、お聞きをいたします。 もう一つは、海南市の関西電力の第2発電所のリプレース計画について伺いました。これも、法改定には関係ない事例だという答弁であります。 1問でも触れましたが、和歌山市は関西電力海南発電所と公害防止協定を締結しております。今回の質問に当たり、関西電力から何らかの事前説明はされたか、また、どのような再稼働計画なのか伺いましたが、関西電力から文書報告はされたと、このようにお聞きをいたしました。 関西電力海南発電所の2号機の再稼働計画は、既に昨年の11月には再稼働の計画がされており、私も十分承知をしておりました。現在、この夏には再稼働のための工事が行われております。2号機の再稼働となれば、1号機、3号機、4号機、これに続いてフル稼働となります。 2号発電機は、平成13年度以降、長期計画停止中の発電機の再稼働を伴う事業であります。発電量の変更を伴います。燃料は、重油、原油燃料が変更されるのか、また、このことによって、湿り、乾き排ガス量の変化はあるのか、温排水量の変化はあるのか、定格排水量の変化はあるのか、何にもわかりません。これが今の実態です。 海南市と和歌山市の協定では、硫黄酸化物や窒素酸化物、また、微小粉じんなどの発生量に対して、県の阪和広域大気汚染対策実施要綱に基づいてさまざまな規制値が掲げられているのと同時に、和歌山市との公害防止協定の中でも、さまざまな規制値が既にされております。 和歌山市は公害防止協定の当事者なんです。ところが、市民へも知らせない、議会へも報告されない、再稼働は知っていたとしても、だれにも知らさないで担当課がファイルにしまい込んでる。これでは、市が市民の皆さんの生活と環境を守っていこうとする姿勢、ちょっと相反してませんか。 市民の生活環境を保全し、さらに住みよい生活環境へ改善を図るべき市政が、こうしたことで本当に守られるのか。環境保全協定を締結してる当事者として、今日の事態に対してどのように対応されるのか、答弁を求め、第2問といたします。(拍手) ○副議長(野嶋広子君) 大橋市長。 〔市長大橋建一君登壇〕 ◎市長(大橋建一君) 15番渡辺議員の再質問にお答えいたします。 まず、農業施策について、農業支援のためにどのような予算を組んでいるのかということであります。 農業関係予算の編成に当たりましては、今日の農業の課題である耕作放棄地対策や担い手農家の育成、そして鳥獣害対策、産地力の強化、特産品づくりなど、主要課題を中心に効果的な予算配分を行ってきたところであります。 また、平成24年度から組織の再編により、産業部、まちおこし部の2部をまちおこし部、農林水産部に再編し、本市農林水産振興の体制強化を行いました。限られた予算の中で、この組織強化が将来の和歌山市の農林漁業の発展につながるよう、創意工夫を行いながら、種々施策を推進してまいります。 次に、新規就農者支援について、2年前の当初議会で、どういった施策があるか精査し、本市独自の支援策を含め各種事業を展開すると答えているが、どのような事項を検討したのか、しなかったのかという御質問であります。 御指摘の答弁後、国の新規就農者等を対象とした農機具やハウスを導入する際の補助事業等、新たな施策が創設されました。このため、事業効果や財政面などから総合的に考え、これらの国の施策を積極的に活用するほうが新規就農者等の効果的支援につながるものと判断し、国の制度を中心に推進しております。 一方、本市単独の施策としまして、遊休農地解消対策事業を実施するとともに、本年度の新規事業として、農業委員会において新規就農を加速させるため、あぐり・チャレンジャー推進事業の制度化を行っています。 新規就農者が、将来、本市農業の担い手として羽ばたいていただけるよう、引き続き青年就農給付金制度を初め、国の制度を最大限活用するとともに、さらに他都市の状況を研究し、本市独自の施策を検討していきたいと考えております。 次に、新規就農者支援について、2年前の当初議会で農業共済制度の拡大を要請した、検討したいと答えたが、それはどのようになっているか。進んでいないなら、とにかく早く農業共済制度を確立すべきではないかと、こういう御趣旨であります。 本市において、国の農業災害補償制度に基づく果樹共済事業の農家の加入率は9%と極めて低い状況にあり、異常気象や自然災害等が頻繁に発生する今日にあって、果樹農家の経営安定を図るためには、当該制度への加入が必要であると考えますので、その加入促進を図る方法等について関係機関と検討するとともに、キャベツ、白菜など、主要野菜に関しても共済制度を設けるよう、引き続き県や国に働きかけていきたいと考えております。 次に、環境施策についての御質問であります。 共同火力発電所のリプレース事業について、今後、個々の事象が発生すれば、直ちに専門家による審議会の開催を常に準備しておくことが必要だと思うがどうか、また、環境影響評価で指摘のなかった部分についても、和歌山市として英知を集め、場合によっては専門家の意見を聞き、対応することが求められるがどうか、このような御質問であります。 今後につきましては、環境保全協定に基づいて監視を行ってまいりますが、問題が生じるなど専門家の意見を聞くことが必要とされる状況になれば、適切に対応してまいります。 以上でございます。 ○副議長(野嶋広子君) 東まちづくり局長。 〔まちづくり局長東 重宏君登壇〕 ◎まちづくり局長(東重宏君) 15番渡辺議員の再質問にお答えします。 市の農業施策について、2点ございます。耕作放棄地と市民農園について、農地の機能を生かすためにも、市街化区域農地の保全のため、可能な限りの行政支援、とりわけ税制制度の改善を要請するがとの御質問です。 市民農園の開設に当たりましては、農家の相談や耕作放棄地の調査等で適当な農地があれば、所有者と種々調整の上、農家がみずから開設する場合につきましては、区画の作成や契約方法等をアドバイスするとともに、市報わかやまでのPR等を行い、農家がスムーズに開設できるよう、農業委員会と連携を図り、人的支援を行っています。 また、NPO等の法人が開設する場合にあっては、耕作放棄地の所有者等の交渉を市が行い、区画の作成、契約方法及び運営方法など、開設に係る詳細なノウハウをすべてお伝えするなど、農業委員会との連携を図り、事務的支援を行っているところです。 今後、他都市の状況等を調査しながら、市民農園の開設が一層容易となるよう、税制面も含めて検討してまいりたいと考えます。 次に、四季の郷公園の将来のあり方、展望を早期に示すべきだと思うが、どのような方向性を持っているのかとの御質問です。 四季の郷公園につきましては、今まで長年地道に取り組んできましたブルーベリーの比較試験などにより得た糖度の高い品種の栽培普及を図るため、ブルーベリー栽培事業補助金の活用促進に努めるとともに、ブルーベリーが本市の地域食品ブランドとして広く認知されるよう、販路開拓や6次産業化をより一層推進してまいります。 また、四季の郷公園が持つ四季折々の豊かな自然環境の中で、将来の農業を担う子供たちが農業体験できるイベントの充実を図るなど、農業に親しむことのできる施設としての魅力アップにも取り組んでまいります。 さらに、農業公園として、四季の郷の持つ高い機能と農業技術職員の持つ高い技術力を結集し、農家と連携、協働のもと、本市農業の飛躍発展を目指し、議員御指摘のササユリやクロユリ、キッコウチクを含め、新たな特産品の開発、育成を図ってまいりたいと考えています。 以上でございます。 ○副議長(野嶋広子君) 山口財政局長。 〔財政局長山口研悟君登壇〕 ◎財政局長(山口研悟君) 15番渡辺議員の再質問にお答えいたします。 市街化区域内の農機具倉庫が住宅並みの課税となるような条例制定はできないのかとの御質問でございます。 住宅と同一区画内に設置された農業用施設につきましては、住宅敷地として一団を形成するものであり、住宅と一体的に利用されているということから、住宅用地特例を講じているところです。そのため、田畑に建設された農業用施設に対し、住宅用地特例を適用することは困難です。 市税の減免措置は、市民に新たな負担を求めることなく、さまざまな政策を実現する手法であるとして用いられやすいのですが、市税の減収により他の政策へ使っていた財源を減らすことになり、財政的な観点からは、補助金の支出と同様のものです。一方で、補助金に比べ制度が固定化しやすく、一度導入すると見直しは極めて困難であります。また、減免は税の基本原則である負担の公平性の例外となるため、市民から納得される合理的かつ効果的なものである必要があります。 国でも、近年、租税特別措置の見直しが進められておりますが、新規の減免制度の導入には極めて慎重な論議が必要だと考えております。市街化区域内の農業用施設に係る課税につきましても、農地制度や都市計画制度と整合がとれたものでなければなりません。そのため、現時点で、農地制度や都市計画制度など、基盤となる制度、政策と切り離して税の減免のみを行うことは困難であります。 現在、国において都市農地についての論議が進められているところであり、動向を注視しているところでございます。 以上でございます。 ○副議長(野嶋広子君) 上島市民環境局長。 〔市民環境局長上島 勲君登壇〕 ◎市民環境局長(上島勲君) 15番渡辺議員の再質問にお答えします。 本市の環境施策について、2点ございました。 まず、共同火力発電所事業について、気象条件や温排水が海域生物に与える影響について、平成7~8年当時の関西電力の調査データや県、市の調査データを流用し、独自の調査がされていない、環境影響評価とは、本来事業を一つ一つ完結しなければならないものだが、このような環境影響評価書であることをどうとらまえているのかとの御質問です。 環境影響評価の事業は、本来は一つ一つ完結しているものであると考えます。 なお、県の環境影響評価審査会では、大気質について、事業区域周辺にある大気監視局の二酸化硫黄濃度を見ると、環境基準は達成されているが、気象条件により高レベルになるときが認められること、また、低周波音については、環境省の低周波音問題対応の手引書に記載されている心身に係る苦情に関する参照値との整合を評価し、評価書に記すること、海域に生息する動物及び植物については、温排水による海水温の変化は小さいと推定されるが、海生生物への影響の予測データや知見が十分ではないため、影響は極めて小さいと評価することは適切ではないなどの意見があったことは承知しております。 次に、海南火力発電所事業について、昭和47年に締結し、その後、5回にわたって変更されてきた公害防止協定の当事者であり、市民の生活環境を保全し、改善を図るべき市政は、今日の事態に対してどのような対応をするのかとの御質問です。 市と関西電力株式会社が締結した公害防止協定は、海南発電所1号機から4号機まで4機がフル稼働することを前提としたものであり、ことしの夏の電力供給不足に伴う2号機再稼働については、協定の範囲内であります。 今後は、協定等に基づいた施設の大きな変更等があれば、必要に応じて市民に知らせてまいりたいと思います。 以上でございます。 ○副議長(野嶋広子君) 15番。 〔15番渡辺忠広君登壇〕(拍手) ◆15番(渡辺忠広君) それぞれ答弁をいただきました。 再々質問をさせていただきますけれども、最後に局長が述べられた環境施策の話ですけども、和歌山県の環境影響評価審査会では3つの点、大気質、さらには低周波、海域に生息する動物及び植物についてと、これに対する県の見解を述べておられますけれども、これが和歌山市で本来審議すべき内容なんだというんで指摘してるんです。こうしたことを行政マンであるあなた方が評価できないでしょう。 だから、企業が設備投資などで改めてリプレースをするようなときには、専門家の意見を聞いて、意見を求められれば、しっかりとその意見に基づいて意見書をつくっていってくれよ、こうお願いをしてるんです。 しかし、またちょっと難しいことではありますけども、個々の事象が発生した場合、その判断基準、専門家に聞くかどうかの判断基準は非常に難しいところがあります。 そこで、私は今回の発電所にかかわってさまざまなことを発言させていただきましたけども、事業者がそれぞれ設備や、また改めて施設の改善を図ることは、これはもう当然のことです。しかし、その際、周辺住民の環境に影響があるか、ないか、個々の事象が発生した場合、専門家の意見を聞く機会を設けるとの答弁で、これは当然のことだと、ありがたいことだと思いますけども、判断基準は非常に難しいんです。 当局の手前勝手な判断に頼らないで、環境問題は専門的な要素が非常に強い事象でありますから、その点での確認はきちっとしていただきたいなと、これは強く要望いたします。 それと、共同火力のリプレース事業に対して、地域住民から環境不安の意見がさまざま聞かれております。事後調査、法律にのっとってやられるものではありませんけれども、環境保全協定という協定書に基づいて、これはやられることになると思います。事後調査をしっかりとやっていただけるよう、強く要望いたします。 1つは農業問題、とりわけ私は最後に、四季の郷の問題というのは非常に深刻な状態だと思っているんです。せっかく培ったバイオ技術もすこんと捨ててしまう。バラ園なんかかわいそうなほど。あれだけ大きなハウスをつくりながら、しっかりと管理ができてない。特許を持ってるバラが1種類あるそうですけども、そのバラも特定できない。これだということをなかなか言えない。非常に残念なことですよ、市長、これ。担当者を2人、3人連れてきて、これか、これだ、これに間違いないと、この程度。 やっぱり四季の郷公園というのは、私、非常に大事な公園だということについては認識は同じだと思ってるんです。ところが、その方向と展望はここで言うてもまだ見えてこないんです、市長。見えてこない。蓄積されたバイオ技術や、花卉やバラ栽培技術が継承されていないということが残念でかなわないんです。 四季の郷公園事業が、今後、市の農業支援にぜひとも役立っていただきたいのと、市民の憩いの場所としてもレベルアップをしていただきたい。 現在、焼き肉をする場所が9つあるんですか。夏になれば満杯だそうです、毎日。可能であれば、そういったものもふやして--現在、1ブース500円の使用料だそうですけども、もう少し値上げしてでも運営を図っていただきたいと、このように思いますけども。 とりわけ、最後は市民農園、実際に総合計画の4園が10園になってるんです。これは本当に評価したい、このように思います。滅多に私が評価することはありません。 市街化区域指定農地の保存のためには、本当に大きな役割を果たしているんです。そのために、今、一番求められてるのが法人化支援なんです。それと、個人農園支援対策というのをもっと強めていただくと同時に、残念だけども、財政局長は、この市民農園についての税制上の問題を私は質問しなかったので、答弁がなかったのは当然のことだと思いますけども、これもちょっと触れておきたいと思うんです。 法人化された方たちに市民農園をお貸しすれば、税金は徴収をされません、これは当然のことで。和歌山市が介在をして地主から土地をお借りするわけですから、税金を徴収するというわけにはいかないと、これはもう当然のこと。しかし、個人で経営する市民農園の場合は、利用者の皆さんから利用料をいただきますので、固定資産税はいただく、このようになっている。これがネックで、なかなか開かれないんです、できないんです。 市街化区域の農地というのは、とりわけたくさん出てまいりました。雑草が生い茂って大変なことになるというのが今の状態です。農地を守る、農業を守る、都市空間を守る、農地としての多面的な役割を今後も維持をしていく。とりわけ下水事業なんていうのは、農地があれば本当に必要ないぐらいになります、極端なことを言ったら怒られますけど。非常に多面的な機能を持ってるのが農地なんです。 ぜひとも、この和歌山市の農業支援策を飛躍的に拡大をしていただいて、市民の皆さんに安全・安心な、また、新鮮な野菜を提供していただく、そういった農家の姿を支援していただきたい、このことを最後にお願いをして、私の一般質問といたします。(拍手) ○副議長(野嶋広子君) お諮りします。 本日の会議はこの程度にとどめ延会し、明6月16日、明後6月17日の2日間は休会とし、6月18日午前10時から会議を開くことにしたいと思います。これに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 ○副議長(野嶋広子君) 御異議なしと認めます。 よって、そのように決しました。 本日はこれにて延会します。          午後2時40分延会   --------------- 地方自治法第123条第2項の規定によってここに署名する。 議長    和田秀教 副議長   野嶋広子 議員    北野 均君 議員    宇治田清治 議員    松本哲郎...